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選挙のあとの朝

行きつけのコーヒーショップにて。

いつもは男前なイタリア人のバリスタが疲れ切っていた。

テイクアウトコーヒーを待っていた1人の女性が帰っていった後、大きなため息をついていた。

コーヒーを注文して、彼がドリップしてくれるのを待った。私があまり英語が上手でないのを知っていたからか、彼から話しかけてくれることはあまりなかった。

でも、今日はどことなく彼から、話したそうな雰囲気を感じた。案の定、ハンドドリップをしながら、How are youと聞いてくる。

私はGood...いやsame as usualかな、あなたは?と返した。

「ぼくも、Goodよ」と返ってきたけれど、それがため息混じりなのがちょっとおかしかった。

「ちょっと眠そうだね。昨日はよく寝れたの?」と聞いたら、

「よく眠れなかったわけではないんだ」というようなことを言っていた。

「私は今朝、ある男の人がトランプ氏の写真が掲載された新聞を、カメラで撮影していたのを見たよ。ちょっと、印象的だった。」

と切り込んでみたら、

「コーヒーが出来たよ。どんなことがあっても、コーヒーはいつもの味だよ」と静止するようにカップを渡された。

よい1日を、あなたも、と、いつものように挨拶を交わして私はコワーキングスペースへ向かう。


英語がうまく喋れなかった敗北感と、ちょっとダルな空気をシェアできて嬉しい気持ちの2つ。皆が今日、安全に過ごすことが出来て、なんなら、チョットいいこともおきますように。

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