見出し画像

ラフドローイングのコツ / シャルル・バルグのドローイングコース

19世紀にフランスで出版された画家シャルル・バルグの著したドローイングの入門書。プロのアカデミックドローイングアーティストとなるために必要なドローイングテクニックが記されている。

知りたいこと:

ラフドローイングのコツをしりたい

答え:

点や線を使って骨格にアタリを付ける前に、私達は弧を描きがちである。重要なのは対象をよく観察することだが、その観察がなされているかどうかは、弧を描く前に垂線をおろし、点をとってアタリをつけているかどうかで判断できるとのことであった。

ドローイングとは、基本的に、現実の観察から重要な要素を選び、それぞれの関係性を維持しながら紙面に記録する作業だ。よく観察して点、ライン、コーナーの関係性をよく分析しよう。このテントこちらの点ではどちらが高いだろう、このラインとこちらのラインではどちらが長いだろう、このコーナーとこちらのコーナーではどちらが鋭いだろう、など、自問しながら比較検討する。そうしていくと、バルグの石膏ドローイングに限らず、どのような題材も、形状を分析し、描けるようになる。

つまり、

弧をつかって乱暴にアタリをつけ、事実を歪めるな。理性的に最初はグリッドを引いて対処しろ。

ということなのである。ヨゼフ・ミューラー先生も隣で頭を縦に振っていることだろう。例えば下記が乱暴に値する私のスケッチである。昔に比べると垂線を引き、点でアタリをつけるよう努力はしているが、未だに苦手なところや書きたくないところは、横着して弧をひこうとし、結果として何度も消しゴムで消す羽目になる。

画像1

その他の本の内容としては、作例が豊富に紹介されている点が参考になる。いい教科書は多角的な思考を促そうと、色んな分野から様々な事例を紹介してくれる。シャルルバルグの鉛筆を使ったドローイングは、直線的で皮下構造の重要な組織を効率よく汲み取っている。何よりも鉛筆の色が美しい。私もああなりたい。

画像2

ちなみに私の習作の末路はこれであった。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?