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【地域活動】自費を出してでも、園芸ボランティアが守りたいもの

子どもたちが通う小学校で、園芸ボランティアをしている。
花壇に花を植えたり、枯葉を集めて掃除をしたり、雑草を引き抜いたり…という作業を、月に2度のペースで行う。

メンバーは、10年前ほどに園芸ボランティア活動を始められたおばちゃま方=人生の大先輩。
6人のうち2人が80代、4人が70代前後。みなさん、お孫ちゃんやひ孫ちゃんがいらっしゃる。
そこに、私たちママ友グループ4人、40代(私は50目前)が1年前くらいから参加しての総勢10人。
来られる人が、来られる時に、ひっそりと活動中。

軽い気持ちでお手伝いに参加したけれど、驚くような事実に直面した。

●私たちが参加するまで、現役の保護者がほとんどいなかった
●学校からの予算が足りず、時によっては結成メンバーのおばちゃん達が自費で補っている(サツマイモの苗代など)
●市から小学校への交付金額が市内一律ということ。うちの学校は児童数1,000人以上のマンモス校なのに、児童数400人そこらの学校と同額だそう。

………知らないって恐ろしい。
校内の畑にサツマイモの苗を植えて、大きく育てよとお世話して、秋になったら収穫して、みんなで分担しながら調理して、熱々のサツマイモ汁を「いただきまーす!」と平らげるという小学校恒例のイベントが、善意の私費で行われていたなんて!

そのことを誰も知らなかったし、というかようやくその情報が(愚痴という形で)拡散したものの、受け取ったのは私たちたったの4人だけ。
放っておいていいのか、この問題。

おばちゃん達はいよいよ高齢で、特に園芸ボランティアを引っ張っているおばちゃん2人は80代。「私ら、持ってあと○年」とこぼすこともよくあるし、大きな病気を抱えていらっしゃる方もいるので、世代交代という文字がチラつく。

私たち40代組はというと、園芸は趣味程度にしかしたことがなく、リーダーシップを発揮するようなタイプでもない…けど。

園芸ボランティアがなくなったら、サツマイモに関する年間行事がなくなるだけでなく、
●学校の花壇が荒れ放題
●季節のイベントが殺風景になる
 ・入学式、卒業式に、春の草花で子ども達を迎え入れられない、送り出せない、
 ・七夕飾りを正門に飾れない
●枯葉や落ち葉がたまりっぱなしで、美観を損ねる
などなど、校内が殺伐とするのが目に見えている。

おばちゃん達はいつも、
「子ども達を、きれいに草花が並ぶ正門で迎えてあげたい」
「雑草ぼうぼうの門まわりは恥ずかしい」

とよく口にしている。

私もそう思う。
だから、私は、色々な活動をしているけれど、園芸ボランティアを第一優先にしたい。
技術はないけれど、おばちゃん達からテクニックを盗んで、少しでもお役に立ちたいと思っている。

日々、目に入ってくる木々や植物が、整然としている。見ようによっては、静かな笑みを讃えている。
それだけで、子どもたち、人々の心は、きっとひそかに潤っている、なぐさめられている、と思う。

意識していないどこかで、きっと救われているのだ。小さなイライラを忘却の彼方へ追い払い、どこかで負った傷を知らず知らず修復しているはずだ。

タブレットもいいけどさあ、これからの生き方に欠かせないものとは思うけどさあ、もうちょっとだけ予算を、血税を、人材を、学校の美観保持に当ててくれてもいいと思う。

おばちゃん達が守ろうとしているものを、私も守っていきたい。
今はひたすら、月に2回の活動を丁寧にこなすだけだ。


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