晴天の日は武者震い
朝起きて天気が良いと、私は空を仰いで武者震いする。
武者震いとは、「重要な場面などで、興奮で体が小刻みに震えること」だそうだ。うん、間違っていない。念のため辞書を引いた。
この晴天、この秋晴れ、神様が与えたもうたチャンスではないか。あれもしたいこれもしたい、あれもしなきゃこれもしなきゃ、の謎なプレッシャーが押し寄せてきて、勝手に一人でワタワタ慌てて、おそらく震えている。
お布団干したい、シーツ類を洗いたい、ソファのクッションを丸干ししたい、浴室の小物類の一切合切を秋の風にさらしたい。
フローリングにワックスかけたい、ダイニングテーブルもワックスで磨きたい、玄関まわりを水でさっぱり洗い流したい。
しかし、現実には他に成さねばならないことが沢山あり、どれを実行するかを選択しなくてはいけない。それが悔しいというか、物足りない気持ちになるのだ。
そんなわけで、私は悪天候も嫌いではない。プレッシャーがない。「ああ、天気が悪いから、何もできないニャ」とさっぱり諦めがつく、自分との折り合いがつく。
晴耕雨読という言葉が大好きだ。
天気が良ければ、畑で農作業をしよう。雨が降ったら、室内で本を読もう。
無駄な悪あがきはしない。潔く切り捨てる。「晴耕雨読」という言葉を座右に置いて、自分を納得させている人は、古今東西ごまんといるに違いない。
ハメハメハ大王の歌も好きだ。
ハメハメハ大王の子どもは学校が嫌いで、風が吹いたら遅刻して、雨が降ったら休むんだそうだ。なんてわかりやすい基準だろう。それを許す大王も素晴らしい。社会にこういう朗らかな人が増えたら素敵だなと思う。
「Only happy when it rains」という曲を思い出した。雨が降っている時だけハッピーという歌詞で、悪いニュースが好きだとか暗闇で微笑むだとか、ややイッテしまっている人のつぶやきなので、あまり歌詞を深掘りしないで聴くのがちょうどいいかと個人的には思う。(1995年発売のGarbage(ガービッジ)の曲だ。30年も前の曲だというのに、今でもめちゃくちゃカッコいいことに感動した)
キョンキョンの「優しい雨」も良いですな。雨に抒情をのせた曲って、たくさんありますよね。
秋が来たのはとても嬉しい。秋晴れも大歓迎。だけど、ときどきは雨も欲しいと願う、まこと身勝手な私であります。
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