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「理想の家族」は存在する?

こんにちは!デンマーク在住、ライフコーチの石橋明子です。
この時期になると毎年、家族で見るデンマークのテレビ番組があります。Den Store Bagdystというベーキングコンテストです。ワクワクするようなケーキを焼く人たちを見るのが大好きなのですが、それと同じくらい面白いと思うのが、出場者のストーリー。

毎回ストーリーを聞いていると、家族のカタチは多様なんだなぁと思います。実質婚カップルだけどパートナーと一緒の家には住まず、同じ敷地内にある別々のアパートに住んでいる男性。男性二人のカップルで子どもがいる人たち。パートナーが外国出身だったり、親が移民で二世の人たち。一口に「家族」と言っても、そのあり方は本当にさまざまだということに、いつも感動します。

多様な家族の在り方が普通だという風潮が日本にももっと浸透したら、生きやすくなる人も多いのではないかと思ったりもします。

私自身、「家族の理想というのは、みんな仲良く助け合って暮らすもの」と信じていた時代がありました。20代中頃くらいまではそうでした。私が子どもの頃に周りやテレビで見ていた家族というのは、そういうものだったからかもしれません。

その思い込みが覆された出来事を今でも覚えています。当時、私は看護師で病棟勤務していました。あるお年寄りの患者さんがいらして、在宅療養を希望していたのですが、ご家族は無理ですの一点張り、さらには面会にも来なくなってしまったのでした。ソーシャルワーカーさんと相談して、ご家族への介入をお願いしたのですが、その時に私が「家族なんだからやっていただかないと」とかそんなことを言ったのだと思います。それに対して、中年の男性ソーシャルワーカーさんが怒りながら、「看護師さんはすぐに家族家族って言うけど、家族ってそんなきれいなもんばっかりじゃないんだよ!」と言い放ちました。

一瞬ぽかーんとしてしまったのですが、すぐに、それもそうだと思って謝りました。そう言われて周りを見回せば、確かに「きれいなもん」ではない家族が沢山あったからです。自分自身の家族だって、きれいな家族かと言われれば、きれいですと即答できるだろうかと思いました。家族だから〇〇であるべき、というのは私の勝手な理想でしかなかったのです。

この経験をしてから、私の家族観というのは大分幅が広がったと思います。その後、アフリカやアジアで保健分野の仕事をしてきたこともあって、社会や文化と家族の在り方が密接に関わっていることも肌身で感じてきました。

家族といっても、人の集まり。誰から見ても完璧な人間なんていないとすれば、誰から見ても完璧な家族もまたないのではないかと思っています。だから、「素晴らしい家族だ」と自分が思えれば、それでよし。自分なりの定義でいいし、主観的な評価でいいのだと思います。

あなたにとっての、理想の家族はどんなものですか?
ご家族との集まりが増える年末年始のこの時期、そんなことを頭の片隅に留めて過ごされてはいかがでしょうか。

お読みいただき、ありがとうございました!あなたがハッピーで充実した1日を過ごせますように。Have a nice day!






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