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書くのが苦手なのに、書く仕事がしたい人へ オススメの本5選

こんにちは。書くのが苦手なのに、うっかり字幕翻訳者になり、さらに今、うっかりライターを目指している者です。こういう職業って、昔から書くのが得意な人がなるものだと思いますよね?必ずしもそうではないみたいです。私も小学生のころ、しょうもない読書感想文を書いていた1人ですから。
書けば書くほど「私、ほんと才能ないな」と苦しい日々。それでも書けないのが悔しくて、諦めたくなくて、今に至っています。
私と同じように、書くのは苦手だけど書く仕事がしたい人に、応援の気持ちを込めてオススメの本5冊を紹介させてください。


読みやすく、分かりやすい文章力を身につける

「文章力をつけたい」と思ったときに、自分には何が足りないと思いますか?私の場合は「もっと論理的に書けたらいいのにな」「センスのある語彙力があればいいのにな」なんて思っていました。それも大事なんですけど、もっと先に直すべきポイントがあります。読みやすく、分かりやすい文章にすることです。

①伝わる! 文章力が身につく本 (基礎からわかる“伝わる!"シリーズ)/小笠原 信之 (著)

冒頭で字幕翻訳の仕事をしていると言いましたが、私が通っていた翻訳学校は、卒業後にトライアルを受け、合格するとプロになれるというシステムでした。私もさっさとプロになるつもりで卒業しましたが、それからトライアル合格までに、なんと2年もかかりました。
この時点で、才能があるとは言い難いですよね。でも諦めずにトライアルを受け続けていたら、不憫に思ったのか、翻訳学校の先生がこちらの本を勧めてくれました。

1つの字幕は大体2~7秒くらいで消え、次の字幕に変わります。巻き戻しをしないかぎり、本やWeb記事のように読み返すことができません。一読で意味が分かる文章にする必要があります。さらに、あくまでも主役は映像なので、じっくり意味を考えて読むような、小難しい文はNG。映像の邪魔にならず、すっと読める一文にする必要があります。

ぱっと見て読みやすいか。回りくどい長文になっていないか。意味が紛らわしくなっていないか。すっきりとした見た目になっているか。
これは字幕にかぎらず、どんな文章にも必要な技術です。基本のキとも言えるテクニックを、この本は教えてくれました。

文章術の原則的な部分なので、同じようなことが書いてある本は、他にも多くあります。でも私には、この本が1番分かりやすいと思いました。ダメな例文を、どのように改善できるか丁寧に説明されていて、説得力があります。
この本に出会わせてくれた先生に感謝しています。「餅は餅屋に聞け」とは、このことですね!

メッセージが伝えるには、構成力がいる

読みやすくするコツは分かったけれど、ライターになるなら長文を書くことになりますよね。学生のころ原稿用紙2枚(800文字)程度の作文で、ヒーヒー言っていた私です。いったいどうすれば何千文字も書けるのかと、最初は絶望していました。そのコツである「構成力」を教えてくれる本をご紹介します。

②新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング/唐木 元 (著)

カルチャーニュースサイト「ナタリー」の編集長を務めてきた著者が、新入社員向けに行っていたトレーニング。そのノウハウが詰め込まれた本です。よい文章とは完読される文章であり、完読されるには、事実とロジックが最も重要と著者は言います。
この本を読んで、私が1番疑問に思っていた、文章の組み立て方を知りました。構成の作り方が分かれば、どんなに長文になっても大丈夫。そして完読される文章を目指すと謳うだけあって、とても読みやすく、最後まで一気に読むことができました。

③1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術/伊藤 羊一 (著)

こちらは文章ではなく、プレゼンが上手くなるための本です。「なんで今プレゼンの話なの?」と思うかもしれませんね。私は構成力の本を読むたびに、これって「1分で話せ」で書かれていた話だなと思っていました。「端的に、もっとも伝えたいことを論理的に説明する」という点では、文章とプレゼンの作り方はかなり似ていると思います。むしろプレゼンをするようなつもりで書いた方が、生き生きとした文章が書けるのではないでしょうか。こちらも読みやすいのでオススメです。

書くための感性を思い出す

④書く習慣 自分と人生が変わるいちばん大切な文章/いしかわゆき (著)

こちらは書く習慣のない人が書くことを好きになる、書く習慣をつけるための本なので、私が今まで読んだ本の中でも、ぶっちぎり1位でビギナー向けです。おそらく文章術の本の中で、1番最初に紹介されることが多いのではないかと思います。
でも私は後半に紹介したいと思いました。なぜなら私自身、この本に出会ったタイミングは決して早くなかったからです。文章術の本を読み漁り、なんとなく書く知識は増えてきたころ、少し休憩のつもりで読みました。「たぶん知ってることばかりだけど、つまらなかったら読むのをやめればいいや~!」くらい軽く考えていました。
ところが、感動するほど良い本だったのです。私は文章をうまく書くことばかりに気をとられて、書く楽しさや素直な気持ちで書くことを、すっかり忘れていました。でもこの本は、自分のプライベートな話や、しょうもない話、ただの愚痴。何でもいいから自分の素直な気持ちを、自分らしい言葉で書くことを推奨しています。
書くことが苦行になりかけていた私に、感性をつかって楽しく書くことを教えてくれました。
巻末に「書く習慣30日チャレンジ」があるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。私も「30日間も自分のことだけ書くなんて、嫌われそう」とヒヤヒヤしながらXで毎日投稿しました。でもその経験が「もっと書きたいかも…」に変わり、今ではトラベルライターの講座を受けちゃってるので、私の恩人のような本です。

書く仕事の心構えを知る

⑤書く仕事がしたい/佐藤 友美 (著)

ちょっと毛色の違う本をご紹介しますね。こちらは文章術の本ではなく、書くことを仕事をするための本です。冒頭に「書く仕事で生きていくのに最も重要なのは、文章力ではありません。」と書いてあります。ガビーン!!!ですよね。表現が古すぎてすみません。
この本はライターを主軸に書かれていますが、他の書く職業との比較も入っていて面白いんです。編集者、コラムニスト、エッセイスト、作家、翻訳者など、そういえば書くと言っても色々ありますよね。まだ書く仕事がしたいとまでは思っていなかったころ読んだのですが、長く書き続けられる人になるためにも、今こそおすすめしたい本です。

おまけ:才能よりも大切なもの

先ほどご紹介した「書く習慣」の著者である、いしかわゆきさんのVoicyで、かなり勇気の出る放送回があったのでシェアさせてください。才能の有る無しは、あまり関係ないのかもしれません。どんな職業でも、才能のある人が続けられる人とは限らないですよね。そこを疑問に思う時間があったら、素直にアドバイスを聞いて、つべこべ言わずに書く!量を積めば質は出てくるとのことなので、私も恥を捨てて、頑張ってみようかと思います。

もはや自分への応援に思えてきましたが、もしも今、私と同じように悩んでいる人がいたら。一緒に頑張りましょう!と言いたいです。読んでくれてありがとうございました。

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