先生たちは"必死に"オンライン授業を実施しました - コロナで学校の対応は?
みなさま、こんにちは。高木暁子と申します。私がビジネスの世界から学校教育の仕事に携わるようになって10年以上が過ぎましたが、2020年にコロナウイルスの感染拡大で「学校で授業を行うことができない」という状況に直面したのは初めてのことでした。
そんな非常事態の中で、現場でどのように対応したのか、そこに至るまではどのようなプロセスがあったのか、学校によってばらつきがあるのはなぜ?などについて書いてみたいと思います。
英理女子学院では・・・
一生忘れることはできないと思いますが、2020年2月27日の夜のことでした。
「首相が、来週からの学校休校を要請!」
というニュース速報が飛び込んできました。
本校(横浜市にある英理女子学院高等学校)は3月3日(ひな祭り)に毎年卒業式を行っています。その直前の木曜日の夕方の突然のできごとでした。
「そ、卒業式は!?」「期末試験はどうするんだ?」etc...現場は大混乱です。学校は「年間行事」というものをベースに動いていますので、それらが1つ変わるだけでも、他の様々な教育活動に影響を与えます。そのような中、「当面の間、休校」となった場合、いったい生徒の学校生活はどうなってしまうのか・・・緊急の職員会議が続きました。
そして緊急会議の結果、3月の当面2週間くらいの間は
- 卒業式は保護者の方々や在校生の参加は無しで、卒業生と教職員のみが参加して3月3日に実施する
- それ以外は学校を休校とする(課題などを出し、本来の春休みの期間に授業を行う)
という方向が決まりました。
しかし・・・3月後半になってコロナの状況は落ち着くどころか、感染が拡大していきました。当初予定していたような春休み期間も休校を継続とせざるを得なくなりました。
そしてこの頃から、一部の先生がオンライン(Zoom)で生徒たちと連絡を取り始めたり、補習を行っていたりしました。ですが、この時点で誰もがまだ「4月には学校を再開できるのでは」と考えていたのです。
ところが4月に入っても、感染者は拡大を続け、いよいよ校内では「このままでは生徒たちの学びが止まり続けてしまう」という危機感が募ってきました。
そこで、4月20日頃から基本的に全ての学年・クラスで時間割通り「オンライン授業」を実施することになりました。そしてそれは6月19日までの2カ月間続きました。
簡単にオンライン移行ができたの?
このような本校の状況をお話すると、
「簡単にオンラインに移行できたのですか?」
と質問されることがあります。
その質問に対する答えは
「NO」
最初は"Zoom"などという言葉を聞いたことも無い先生が多かったですし、「対面の授業をいきなりオンラインでやるなんて無理では」と、誰もが思いました。
ですが・・・
「まずは私たちが練習してみましょう!」
ということで
学校にいるのに、あえて職員会議をZoomで実施することで、Zoomの使い方に自らの体験を通して慣れていくようにしました。
本校では、先生たちが本当に頑張って対応してくれたと思います。有事の際に組織の力が分かるとよく言われますが、今回本校のチームワークに我ながら感動しました。(そして5月26日には日本経済新聞にその様子を紙面でご紹介頂きました。)
本校はこのような形で比較的早いタイミングからオンライン授業に移行して行ったのですが、よく色々な方に
「学校によってものすごくばらつきがあるのはなぜですか?」
「文部科学省は、そのばらつきに対してどう考えているのですか?」
などの質問を頂くことがあります。それについては、次回の投稿にまとめたいと思います。