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不安とつきあう

実はここ2週間ほど、娘が保育園に中々登園できない日々が続き、いつもより自由時間が少なめでした。根本的には、娘自身に「集団で過ごす場に合わせづらい」様々な性質があり、それに加えて寒さからの体調不良や色んな出来事が重なって「不安」が強い状態だったと思います。

元気な時ならば、外出時に私のお支度に掛かる時間が待ちきれず、「ママー、おにわでまちあわせね〜!」と言い、アパートの中庭で一人で遊びながら待っている娘が、家の中でも私の後追いをする。外出先では、いつもならハイペースで独自の探索活動を行い、私の方が「待って〜!」と追いかけるところ、私の手をしっかりと握りしめ、慎重にペースを合わせて歩く状態でした。


一年前の私なら、娘の不安そうな行動に刺激を受け、「原因を追求しなければ!」と躍起になったり、「こんな状態でこの子の将来はどうなってしまうのだろう??」と自分の中で不安を増幅させ、私の不安が更に娘を不安にさせる・・・親子で響き合う不安スパイラルの状態に陥っていたところだと思います。

でも、今回は少し違う様子でした。ここ1年間受けてきた療育を中心としたサポートのお陰で、私自身にも多少なりとも対応の引き出しが増えたことを感じられました。担当心理士の先生がなんどもおまじないの様に唱えてくださった「 不安なときは濃厚接触^^ 」を実行しながら、動くことを焦らず、一歩引いた目で娘のことを観察しながら、不安に寄り添えたかなと感じています。私自身、おばさんになっても成長できるのだなぁ、と感慨深くさえ感じることができました( ´∀`)

具体的な「濃厚接触」の方法として、今回の我が家の場合には、普段は横に座って絵本を読んでいるのを、意識的にお膝に座らせて読む様にしたり、寝る時に「ママの上で寝て良いよ」と眠るまで身体の上に乗ることを許したり、普段は娘が寝た後こっそり起きてお一人様タイムを楽しむところ、娘と一緒にゆっくり朝まで寝てみたり。。。という感じで意識的にスキンシップを増やす感じです。この辺りの具体的なやり方も、娘の担当心理士の先生からヒントをもらいながら、試行錯誤しながら、実際に私たち親子にとって有効な方法を1つずつ見つけてきた感じです。今後も、成長に伴い、その時々のちょうど良いやり方を探していくことになると思います。

一方、娘の方も母子分離不安が強く、文字通り一日中ママにひっついていた1年前とは大きく異なり、調子が悪い時の出し方にも、娘なりの成長を沢山感じることができました。

1年前なら、調子が悪い時はいつも以上に思い通りに行かない事に対して、すぐ手が出てしまったり、暴言が出ていたところが、手が出る直前で堪えて自制している姿が見られたり、「あ〜、おもうようにいかない!」と小声で呟いていたり、「パンチしちゃうぞ!」と私に対して爆発予告をしてみたり。(不思議なことに、この "爆発予告" ができるようになると、実際に爆発はしなくなるのです٩( 'ω' )و )手が出てしまっても、自分から謝る場面があったり。また、不安から私や周囲の大人を過剰にコントロールしていたところが、「いまはふあんだからいっしょにいてほしいの。」と言葉で伝えられる様になっていたり。。。すごいではないか( ;∀;)

ちなみに、そんな風に2週間ほど過ごしながら、落ち着いてお話しできそうな時に話しをする中で見えてきた、今回の不安の引き金が2つ分かりました。

  1. 保育園のお友達の大きな怪我とそれに対する強めの注意喚起

  2. 「安全教育」の絵本に描かれている「不審者対応」への のめり込み

1.は、身近なお友達の身に起こった怖いことが自分にも起きてしまうのではないか、という不安で、「そういうの、あるよね〜」と分かりやすいところです。2.は、年末に補助輪無しで自転車に乗れるようになって、自由な気分を謳歌したい余り、何処にでも自分の自転車で行きたがる娘に交通ルールを教えなくては!という(私の)焦りから、安全教育の絵本を2冊購入したのですが。。。娘は交通ルールでは無く、同じ絵本の中の「不審者への対応」部分にのめり込み、何度も何度も読んだ挙句、実際に家の周辺の「こども110番の家」を探しにお散歩に出かけたり、お人形で「不審者ごっこ」を繰り返し。。。怖くなっちゃったのよね(*_*)

療育先の面談で相談した際にも、「高い理解力に対して、気持ちをコントロールする力が弱いという、発達のアンバランスさが良く現れていますね」というコメントを頂いた今回の件、実は私も幼少期に似たようなエピソード(実家の母談)がありまして。。。

保育園の年中クラスの時に、園での防災訓練で、消防士さんが「てんぷら火災」の恐ろしさについて、ビデオを見せながら説明してくださったその夜、何と我が家のお夕飯メニューはてんぷら( ゚д゚)

真面目で正義感が強かった(そして不安も強かった) 「小さいあきこちゃん」は、家族を火災から守るべく、必死でメニュー変更をお願いし、それでもてんぷらを強行しようとする母に対して、泣いて暴れて、てんぷらを阻止したそうです。母も、「聞き分けが良く、本当に親の手を煩わせなかったあきちゃんが、一番困らせた日じゃないかしら?」という程、強烈に覚えている出来事だそうです。

あれ。。。?! 似ている。。。(。・ω・。)

「不安」の強さは遺伝的なものが大きいそうです。そして、不安は必ずしも悪いものでは無く、特に、大人になってからは、努力や準備をしっかりと行う原動力にもなるものだそうです。

でも、飲み込まれては、いけない。不安も、不安の種も無くすことはできないけれど、上手に付き合っていけるように、私も娘と一緒に成長していきたいなと思います。



【ここからちょっと、虹色AS村のお話:興味のある方だけどうぞ】

最近良く考えることとして、今回記載した不安への対応など、 こどもの発達の特徴に対応するための "How To" に関する引き出しについて、娘の様な「虹色AS村」の住人たちは、具体的な特徴もその濃淡も千差万別で、更にASD以外の切り口からの特徴との掛け算もあるので、対応方法も「個別最適」しか有り得ないのでは、と個人的には感じています。(更に言うと、現在の医学分類上のASDの範囲は本当に広く、切り取る場面やエピソードによって、「D(isorder) が付くかどうかは知らんけど、あなたも、わたしも皆A(utism) S(pectrum)のどこかにいる ٩( ᐛ )و ♪」状態だと思うのです。)同じ診断名でも、お隣さん家のAくんに有効だった方法が、我が子に有効とは限らない。というか、こんなにも広いAS村を十把一絡げで語るなんて、そもそも無理がある。

それに、人間は多面体なので、"ASDの○○さん"という切り口だけで子供を見てしまうのはあまりにも乱暴だし、一般的に書籍やWEB上で語られる「対応方法」が解決に繋がらないのは、この辺りにも理由があるのかな、と感じています。

他の人の成功事例を参考にするのは悪いことではないけれど、それらに振り回されず、正しい知識と豊富な臨床経験を持った専門家と個別・具体的に相談して、試行錯誤を積み重ねていくことが大切だと思う!そして、そんな数ヶ月で解決する様なことは何も無く、長い時間を掛けて付き合っていくものだから、力を抜いて〜!!と、睡眠時間を削ってまで、専門書やWEB上のASD関連の記事を読み漁っていた1年前の自分自身に言ってあげたいヽ(´o`;

以上!長くなってしまいましたが、お読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m




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