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こどもと一緒にロンドン出張(娘3歳)

出張兼旅行に行くことになった経緯

2017年の夏、3歳のこどもと二人で、ロンドンに行きました。目的は仕事(研究)の打合せですが、こどもを同伴せざるを得ない状況(夫は単身赴任中)かつ大学が夏季休暇期間だったので、もういっそ夏休みにしてしまおうと、プライベート旅行として行くことにしました。お金と娘への負担をかけてまでいくべきかどうかはすごーく迷ったんですが、最後に決め手となったのは夫の「貴方が行きたいなら行けば」でした。こどもがどうかの前に、「私が」いきたいかどうかで判断する。心がけているつもりだけどつい忘れがちなこの視点を、ときどき夫はリマインドしてくれます。それでも「娘への負荷が大きくないかなー」と迷う私に、「娘には、うちの子に産まれた以上は仕方ないと諦めてもらいましょう」と畳みかける夫。それで決心がつきました。このやりとりを通じて、ああこの人と結婚してよかったな、と改めて思う。

そして、終わってから振り返ってみれば、娘にとってもいい経験だったし、私も娘と幸せな思い出が増えた。そして仕事面でも非常にプラスと、いいことづくめでした。やっぱり迷ったときは行くべきだな!と思います。

まずは仕事の打ち合わせ

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London School of Economics

メイン訪問先は、London School of Economics. よその大学を訪問するのは楽しいなー。仕事中は、打ち合わせ相手の奥様にこどもを預かっていただきました。理由を話すと、娘は特に泣かずにバイバイ。仕事中は二階建てバスにたくさん乗せてもらったそうで、にっこにこの写真をあとから見せてもらいました。このご家庭には後日ディナーにもお誘いいただきまして、娘をたくさんかわいがっていただきました。私にとっても娘にとっても、大切な思い出となりました。

仕事後の娘のための時間

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まずは打ち合わせ相手のご夫婦のご自宅で会食。絶品の手料理でした

さて、無事に仕事が終われば娘のためのお楽しみ時間。最初は大英博物館にいこうと思ったのですが、セキュリティを厳しくした影響で入館に長蛇の列ができており、その日は寒い雨が降っていたので断念。

その代わりにLondon Transport Museumに行ってみたところ、娘は大喜び。雨風はしのげるし、スタンプラリーや体験コーナーやらがたくさんあって子ども連れにはとってもお勧めです。

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London Transport Museum

定番のPiccadilly Circusでは、ぽっぽ(鳩)を追いかけるといういつもの遊びを。私は大学時代にロンドンに来たことがあり、そのときはピカデリーサーカスから見える看板の多くは日本のハイテクメーカーだったという記憶があったので、様変わりした風景に時代を感じました。

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Piccadilly Circus

私がお仕事の間がんばったご褒美に、Hamleysで1つだけおもちゃを買ってあげる。ここはスタッフがおもちゃのデモをいたるところでやっている、こども大興奮のおもちゃデパートですが、そこで娘が選んだのはコレ↓。しぶいな・・・。でも飽きずに今も遊んでいます。

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Hamleysで買ったごほうび

最終日は電車で少し郊外まで足を運び、William Morris Galleryに。ここがとっても良かった!Galleryは美しい壁紙の展示だけでなく、子どもが遊べるようになっている展示もたくさんあって親子で楽しめるし、となりの公園には花やどんぐりがたくさんで子連れには最高の遊び場でした。娘と公園や博物館でのんびり過ごした時間は、とても大切な思い出です。

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William Morris Gallery前の庭園
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William Morris Gallery

娘に教えてもらったこと

ところでWilliam Morris Galleryの裏手には、Lloyd Parkという公園があります。ここの遊具コーナーで、5つのタイヤのブランコが同心円上に並んでいる遊具を娘が気に入りずっと遊んでました。ここは観光名所というより地元の人の憩いの場の公園なので、そのうち娘以外の4人が全て仲良し同志という構成になり、娘より少し上のその子たちはブランコを漕ぎながら皆で何かの歌(もちろん英語)を歌い始める。娘は5人中自分だけが言葉も分からないし知り合いでもないという輪に紛れこんだ状況となり、彼女の羨ましそうな表情を傍で見ていた私としては、寂しくないかな、疎外感を味わってないかな、とすこし心配に。

でも次の瞬間、娘は自分の好きな歌を日本語で大声で歌いはじめました。5人中4人が英語で同じ歌を歌っている中で、一人だけ日本語で別の歌を歌いながら楽し気な娘さん。しかもその歌は、石垣島で覚えて以来気に入ってよく私と一緒に歌っている「オジー自慢のオリオンビール(エイサーバージョン)」。なんでここでそのチョイス?!

大笑いしました。でも同時に、娘の中にきちんとSelf Esteemが育っているということなのかなーと安心しました。私はくよくよしたり落ち込んだりということが若い頃は本当に多くて、年を重ねてからトレーニングでSelf Efficacyを鍛えたことでメンタルが安定しました。が、あくまでもトレーニングの結果なので、睡眠不足や過労ですぐにSelf Esteemが落ちていきます。なので育児についてはSelf Esteemを身に付けることをお行儀より優先しているところがあるのですが、ああ、この人は私のSelf Esteemの低さを受け継いでいないな、と思えてほっとしました。

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Lloyd Parkのブランコ

一緒に歌える人がいれば一緒に歌うし、それはもちろん幸せなことだけど、いなければ自分で歌えばいいだけですよね。大事なのは逆境でも自分でなんとかする力であり、そのベースとなるSelf Esteemを身に付けること。環境なんていいときもあるし悪いときもあるから、それに振り回されていたらもたないし。私も娘に笑われないようにガンバロー、と思えたロンドンの1日でした。

子連れロンドンの印象

ロンドンは中心部に博物館がたくさんあるし、意外に子連れ旅行向きかもと思います。市街地は混んではいるものの、こどもや子連れに不寛容な印象はなく。地下鉄がけっこうバリアフルなのでベビーカーはちょっと不便ですが、通りすがりの人に頼んで持ち上げてもらうということも普通に行われてました。娘はロンドンでも相変わらずの適応力の高さを見せ、公園で友達を作ったり、道行く大人たちに「ハロー」と愛想を振りまいていたりしてました。こどもに笑いかけてくれる人がとても多かったし、たくさん席や順番を譲ってもらったりしましたので、娘も居心地がよかったみたいです。

ちなみに娘のロンドンで楽しかったことBest3は、二階建てバス(乗りもの好き)、鳩の餌やり、交通博物館のスタンプラリーだそうです。

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後日談

この時の出張での打ち合わせは、2023年3月に研究成果として結実しました。


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