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こどもと一緒にパリ旅行(娘3歳)

2017年のゴールデンウイークは、我が家は9連休でした。私は土日出勤、夫は祝日出勤が多いので普段の週末はお出かけしにくい一方で、長期休みがとりやすいという働き方特性の我が夫婦。せっかくの機会なので旅行にいこう!と夫が言いだし、フランス・パリへ行くことになりました。ヨーロッパはスウェーデン、デンマーク、スペイン、ポルトガル、イギリス、ドイツ、ドイツ、オランダに続く9カ国目。フランスはいつか行きたいなと思いつつなんとなく機会を逃していて、もう子どもが大きくなるまではおあずけかなーと思っていた私に、夫が「行きたいなら行こうよ」と提案、旅行にまつわる全ての手配をしてくれました。夫は3年前のドイツ・デュッセルドルフ赴任時代にヨーロッパ各地を訪問しており、パリの状況をある程度知っていたというのも安心材料。子連れ旅行は、機内泊、時差ボケ、現地での食事など諸々を考えているとだんだん面倒になっていくのですが、こんなときこそ夫婦のチームワークで乗り越えればいいんだと思えました。

とはいえ、初日は娘の機嫌が悪くなって目当てのお店やレストランに入れなかったりと、娘の楽しさと私の楽しさを共存させるのは難しいなあと思いました。しかも、今回は大人の権利がしっかり守られているパリ(しかも大統領選中)という、「子連れでいきやすいところ」という軸だったらきっと選んでいない旅行先。これは、親の都合にこどもを付き合わせるか、こどものために親が諦めるのかの二択かな?でも、それでほんとに楽しいのかな?と疑問がわき、この旅行の優先順位を決めるミーティングを夫と実施(笑)。夫は普段ワンオペの私への労いもあって私の好きなことをやればいいといってくれたものの、仕事で私の都合に娘を付き合わせることが多いので、休みのときまで付き合わせても楽しくないと感じる私。なので、この旅行は娘が好きなことを優先しよう、小さいこどもと行くからこそ楽しめることをしよう、ということで合意。そして目的が決まれば、優先順位もおのずと決まります。

娘が好きなこと、それは「散歩」です。なのでパリの公園めぐりをすることに。食事も娘に我慢させてまでレストランにいくのではなく、外食は朝昼のみ、夜は近くのデリやスーパーで買ってきたものをアパートメントホテルで食べる、ということに決定。娘的に興味のない買い物は、いけたら行くけど行けなくても気にしない、と割り切ることに。でも実際にやってみたら、やってること(散歩)は同じでも、日本とは風景が違うのでとても楽しかった。咲いている草花も違うし、鳥も違う。なにより、3人でのんびり過ごした時間がとてもいい思い出になりました。食事も、たまたまホテルのすぐそばに行列の出来るデリがあり、滞在中は何度もお世話になりました。

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ところで、現地の遊具コーナーに足を運んだところ、(平日の都心というバイアスはありますが)母親以外が同伴している親子が多いことにちょっと驚きました。パパやベビーシッター、おばあちゃんと一緒のこどもが圧倒的に多くて、育児は母親だけの仕事ではないという構図を公園の風景から感じました。出生率と女性の就業率があがるとこうなるのだな、これはなかなか素敵な風景だなとも思いました。というのも、日本の公園風景ってまだまだ可能性があるのに子育てに専念している若い女性が圧倒的に多いですからね。育児に専念するのが本人の意思ならともかく、その選択肢しか選べない、こどものために女性がいろいろ犠牲にせざるを得ないという状況は、社会として不自然だし非効率だなあとしみじみ思いました。

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なお、子連れだという理由で不愉快な思いをすることはほとんどありませんでした。それどころか、町中ですれ違う人たちがムスメに笑いかけてくれることが日本以上に多かった。大人の権利が認められているということは、子どもの権利が認められているということと表裏一体なのだということを実感。こちらが相手を尊重しているから、向うも尊重してくれるというか、大人もこどももお互いがお互いの存在を認められている感じがとても居心地よかったのです。日本にいるとこどもの存在を認められていると感じる機会が少ないのですが、それって大人やこどもがいない女性の存在がきちんと認められていないことの裏返しなのかもしれないな、と思いました。数日間の滞在なのでどこまで正確に捉えているかは分かりませんけれども、考えるヒントをいただきました。

なお、1回だけ一つ星フレンチに行きました。そのためにスーツとワンピースを荷物に入れていた私たち。夜は当然ながらお子さまお断りなのでランチで、予め子連れであることを伝えて予約。そして「ムスメが席を立って動き始めたら食事を中断してでも帰る」ということを夫と合意しておき、ムスメにも「おりこうさんにしていれば美味しいものが食べられるよ。パパとママに協力してください。でもどうしても我慢できないときは一緒に帰ろう」と言い聞かせました。そうしたら、なんと最後まで大人しく一緒に食べられました!コースなので待ち時間が長いのですが、パンとバターが美味しかったらしく、ずっと席に座ってパンを食べていました。あとはそもそも食事がとても美味しかったこと(おりこうにしているインセンティブがある)、サービスを担当してくれたソムリエさんが娘をマドモアゼル扱いをしてくれたこと(認められている感があってご機嫌になる)あたりが理由か、普段のカジュアルなお店のときより、ずっとずっとお行儀よく過ごせました。おかげで私たち親にとっても、思い出に残るいい時間になりました。

ちなみに帰国後に訊ねたところ、ムスメのパリの思い出は「鳥にごはんあげた」「飛行機乗った」「パン美味しかった」だそうです。

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