力の抜けた時
大島ケンスケさんの歌にイラストを使っていただきました。感謝です。
デモテープをいただき、初めてケンスケさんの歌を聞いた時のことです。じわ~っと心の中から湧き出てくるものがあり、ヨーシ!と思って気合満点で製作に取りかかりました。
何点か原案を描いてみた段階で、ケンスケさんからミキシングが終わったテープが送られてきました。最初のデモテープでもすごかったのに、そこに細やかな改良や改善を重ねてこられたケンスケさんのアート魂をまざまざと感じて、私はすっかり圧倒されてしまいました。
これに見合うものにしなければ・・・!!
と、思うと、先に描いていた何点かのイラストがめっちゃチープなものに思えてきました。
そして、気合を入れれば入れるほど新しいものはなーんにも浮かばないのであります。
そしてなんにも浮かんでこないことに焦れば焦るほど、無理やり描いても全然違うものができてしまう。アイデアの泉がスッカラカンになって全く手が動かない。(いつもあまり何も考えず、手に任せて描いていることが多い)
そんなこんなで、全く何も進まない状況になってしまいました。
時間だけが経ち、無駄に描くものだけが増え、前進ナッチン。
ケンスケさんに「遅くなっててごめんなさい~来週には何とか~」と、伝える場面もありました。その時私の内側から発する焦りの気持ちが伝わったのか、ケンスケさんからの返信がすごくしみました。救われたっていう方が近いかな。
その言葉に思い切り甘えることにして、内側から沸き起こるまでは忘れてしまおう!って思って日々を過ごしました。しばらく経つと、ふと描きたくなる瞬間が訪れました。
力が抜けてふっとゆるんだ時に、いろいろ張りついていたフィルターがフッと消えるようなのです。そういう時は、時間そのものが溶けてなくなってしまっているような感覚に。余計なものが剥がれ落ちた瞬間を大事にしながら少しずつ作っていきました。
ま、見る人から見れば突っ込みどころは満載なのかもしれませんが、今のわたしのマックス・ベスト。
ケンスケさんにこういう形で残していただけたことに心から感謝です。
↓この曲が生まれたとても素敵なエピソード。ぜひ読んでくださいね。
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