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前厄女の読書記録

 先日、縁結びや厄払いに強そうな神社に偶然行った。前厄に加えて顔を合わす度に親から「金は出すから結婚相談所へ行け」と言われていたので、しっかりお参りをすることにした。神社の中には小さな鳥居をくぐると、願いに合わせた3つの水晶が置かれている「むすびの庭」というところがあった。そこでは案内に従ってお参りをし、自分の気になる水晶を両手で包むと自動音声で一言お告げをいただける。言われた通りの順序で参拝し、迷わず「縁結び」の水晶を両手で包み込んだが、なかなか何も言わない。「え、聞き逃した?!」と焦りながら耳を澄まし、ひたすら握っていると一言。

「焦らないこと」


焦ってるからこんなに力強く包んで、賽銭も奮発してんだろ!気がついたら息を吐くように悪態をついてしまっていた。こんなんだから私の明るい未来はまだまだ先のよう。しゃあない、今は仕事に邁進しようと決意した。

 そんな決意をしたからなのか、繁忙期でもないのに、とんでもなく忙しい。どんどん仕事に追われ、毎日ギリギリまで残業しても終わりが見えない。そんな精神的にも追い詰められていた矢先、この先さらに忙しくなることを上司から断言され、ついに頭がパッカーンとなった。限界の合図だ。
 単なる自分の中でのイメージなのだが、キャパオーバーになると頭からクラッカーのテープが弾ける映像が浮かぶ。決してめでたくないのだが、これが私の限界突破の瞬間。

 これはまずい、と思い、上司と話をした後、久々に昼休憩で外出ランチをすることにした。普段ならいつでもヘルプで動けるようにと事務所奥で休憩をとっているが、知ったこっちゃねぇ。自分のご機嫌をとるために、悩みを消し去るために気になっていたお店で大盛りの担々麺と餃子を食す。その後も思いきって定時で上がり、帰宅するやいなや、風呂でカラオケ大会を1時間近く開催。翌日の休みは予定をいれず、家に引きこもってひたすらグダグダ。好きなものを食べて、寝たい時に寝てぼーっとしていた。ガサガサしていた心が少しだけしっとりしてきた。我ながら安上がりな女。そしてトドメに少し前に読んだ「佐久間宣行のずるい仕事術」を読み返すことにした。

ゴッドタンはマジ歌選手権が1番好き

 大好きな番組のスタッフの方の書籍なので、正直それだけで購入をしたのだが、暑苦しくなくて優しい文章なのにモチベーションをゴリゴリに上げてくれた。どの文章も素敵なのだが、今の私には「リーダーが誰より本気で楽しそうに働くこと」「チーム自体も自分の鏡」という言葉が響いた。切羽詰まっている自分にとって一番必要な心構えだなと思った。激務になると余裕はないかもしれないが、意識し続けようと思う。

 それから母に泣き言を言っていたら「渡していた本をすぐに読め」と勧められ、中村恒子さんという精神科医が書いた「心に折り合いをつけてうまいことやる習慣」を読んだ。この本もすごく素敵で、特に「今後しんどいことを経験することがくれば それは『新しいものの見方』を学ぶ時期でもある」という一文が良かった。今から苦しいことがあるだろうが、考え方を変えて力を抜きつつ乗り切りたい。

やっぱり神社で悪態ついたからかな、前厄半端ねぇな。

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