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トイレットペーパーをひきずった女

これは、5年前の忘れられない汚話でございます。

ここはオシャレなレストラン。

旅行で訪れた素敵なお店だ。

この店の人気料理を楽しみにおとずれたのだ。

オシャレなレストランに似合う、ちょっと背伸びをしたお洋服を着て、鼻歌まじりに店内へ。

ここで3歳の娘が「ママおしっこー!」

「はいはい!お食事前に行ってこなきゃね。」

私は娘を連れてトイレへ。

「せっかくトイレに来たのだから、私もトイレを済ませちゃおうかな。」

そうこうしていると、娘がトイレの鍵をガチャガチャいじり始めた。

「?!やめてよー、まだだよ?!」

娘は鍵が、気になりガチャガチャする。

「鍵壊れちゃうから手離してねー!」

一瞬の事だった。

トイレの扉が…キーッと音をたて開いてしまった。

「 あっ…  」

目の前には、手を洗いながら、こちらを振り返っていた
おば様がひとり。

「大丈夫、大丈夫!わたしも、そんなこと時々あるから!」

優しく励ましてくれた。

「ありがとうございます。」
恥ずかしい気持ちと、おばちゃんでホッとしながら扉を閉めた。

そこからは、また鍵を開けられる前に、さっさと身支度をしなきゃと急いだ。

この急ぎが悲劇のはじまりだった…

そして、さっきの人は どこの席にいるんだろ?
なんて呑気に考えながらトイレをあとにするわたし。

「ねぇ、ママ!」

娘が私の肩をたたいた。

「え?なにぃ?」

トイレの件で ドッと疲れて、ぼーっとして自分の席に向かっていた。

「ねえ!ねえママってば!」

娘がわたしの肩を、さっきよりも強くたたいた。

「え?なになにー?」

娘の方を見ると、娘は不思議そうな顔をしてこう言った。

「ママ長いよ!トイレに流さなきゃ、こんなに。」

私はなんのことやら。

今度は娘が私のスカートを指差した。

「これ!」

スカートの後ろを見た私はゾッとした。

トイレットペーパーがストッキングに挟まったまま歩いてきてしまっていたのだった。 
 

つまり、今もトイレと私がつながっているということ!!

どなたか、こんな光景を目にしたことはありますか?

私は、こんな長く伸びたトイレットペーパーは見たことがなかったし、これからも きっとないだろう。

お店の人は、ポカンと口をあけて こちらを見ていた。

「すみません!!、!」

そう言ってトイレットペーパーをグルグル高速回転で手に巻きながらトイレに戻った。

その後の素敵な食事は、とにかく顔をあげずに、ひたすら料理だけに視線を集中。

店員さんが笑いをこらえて会計していたのは今も忘れない。

これでもか?!という失敗をすると案外いい思い出になるものだ。

子育て中に、着慣れないオシャレな服は着ないほうがいいよ?と娘に教えてもらいました!

あー!素敵な思い出だなぁ 笑

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