日常生活が一番のリハビリ
病院の中を歩いてリハビリをしていた時は、手摺はあるし、エレベーターもあるし、お医者さんや看護師さんがたくさんいるし、安心して歩くことができました。
いざ退院して、最初に戸惑ったのは世の中のスピードでした。少し前まで自分が過ごしていた世界の流れが早すぎてついていけないのです。
歩くスピードなど、追いつこうとするのがやっとで、帰宅した時にはヘトヘトでした。
建物の中にずっといたので、外に出て雨が降って傘をさすこと、濡れることを思い出しました。
足取りに自信がない時に、傘で片手がふさがるのは痛いなと思いました。
日常に戻るには、その日常の中で過ごすことが一番のリハビリになるのです。
目的があった方が歩きやすいので、必要なものを買い物に行くことをリハビリにしています。
お店で必要な商品がある売り場や棚を探すこと、私は今その段階でかなり疲れてしまいます。
これを買うという目的があるから、頑張れているだけで、なかったらもっと早く切り上げていたことでしょう。
苦しくて話すのもやっとの状態だったので、話すことも疲れてしまいます。前より私の話し方はゆっくりになったし、休憩が必要です。
食事も摂れない日々が続いていたので、最初の頃は食べるだけで休憩が必要でした。
入浴も同様です。
確認をしたり、効率よく動くことが得意でしたが、今は考えが及ばなかったり、確認が足りなかったり、そんな力も弱まったのを感じます。
筋トレと一緒で、たくさん使わなかった(使えなかった)部分を、日常生活で使わざるを得なくなって、少しずつ鍛えられています。
ここまで自分が弱ったこと、体力が衰えたことを経験したことがありませんでした。
焦る気持ちもないと言ったら嘘になります。
しかし「少しずつ、焦らないで」という言葉をたくさんかけてもらったので、そんな時はこの言葉を胸に、深呼吸をするようにしています。
できない自分を認める、許す、少しでもできた部分を喜ぶ、その繰り返しが私にとってのリハビリです。
今日はうっすら虹を見ることができました。
また会えて嬉しい。
自分の足で立って、肌で夕立の時のあの蒸し暑さを感じて、空を眺めました。
生きて、また空に、虹に会うことができてよかった。
行きたい時に行きたい場所へ行けるように。
会いたい時に、会いに行けるように。
リハビリ頑張ります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?