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サム・アルトマンは効果的加速主義なのか?
昨日のサム・アルトマンのポストはこんなものでした。
the fight for the future is a struggle between technological-driven growth and managed decline.
— Sam Altman (@sama) January 5, 2024
the growth path has inherent risks and challenges along with its fantastic upside, and the decline path has guaranteed long-term disaster.
stasis is a myth.
未来のための戦いは、テクノロジー主導の成長と管理された衰退の間の闘いです。成長の道には素晴らしい上向きの側面とともに固有のリスクと課題があり、衰退の道には長期にわたる災害が確実に存在します。停滞は神話です。
これに対してe/acc(注01)を指摘するポストが続きました。
※注01:「e/acc」という表現は、「Effective Accelerationism」(効果的加速主義)を指す略語で、これはAIや大規模な言語モデルが技術的なユートピアをもたらすという信念に基づいたイデオロギーや運動を意味しています。この考え方は、テクノロジーと市場力(テクノキャピタル)がその力と能力を加速しているという信念に基づいており、この力は止められないとされています。
サムの発言をe/accと指摘するポスト
E/acc Sam is the best Sam. 🤝🏎️⚛️
— Deep Prasad (yug-cybera) 🏴☠️ (@Deepneuron) January 5, 2024
we/acc
— Lachlan Phillips e/👾 (@bitcloud) January 5, 2024
e/acc + b/acc = utopia (close)
— MDB (@MDBitcoin) January 5, 2024
「d/acc」は「Defensive (or decentralization, or differential) acceleration」を表す略語で、効果的加速主義(e/acc)とは異なるアプローチを示します。この用語は、防衛、分散化、民主主義、そして差異化を意味する可能性があり、より防衛的、分散的、民主的な世界を目指す哲学を反映しています。特に、防衛を重視することでより健全で民主的なガバナンスが繁栄するという視点が強調されています。また、テクノロジーのマクロ的な影響を考慮する際に、防衛と攻撃のバランスを重視することが提案されています。
Seems like you’ve made the best point for e/acc movement I’ve read so far.
— John Rush (@johnrushx) January 6, 2024
Should pin it so more can read
下記の2名は名前さえもe/accを入れています。
acceleration is the only way
— Omnius Evermind — e/acc ⏩ (@omnius_eacc) January 5, 2024
Heavy is the head that wears the crown
— 🇸🇴(e/acc) (@mu_r33) January 5, 2024
e/acc
— Gigi B @ Gianluigi Ballarani (@GBallarani) January 6, 2024
Ladies and gentleman... in this corner we have e/acc. In the other corner stands d/acc.
— J. E. Singleton (@j_e_singleton) January 5, 2024
Are we ready to rumble?
energy is life ward | e/acc
— roree (@eternalroree) January 5, 2024
e/acc
— Man Fred (@man_fredX) January 6, 2024
Managed decline is zero sum thinking, it's red tape, it's Marxism, it's NIMBYism, it's even CONSERVatism, it's endless war, it's government intervention, it's the WEF, it's the legacy media, it's CBDCs, it's censorship, it's government control, it's the EU, it's democratic…
— Andy - e/acc (@AndyTech99) January 6, 2024
OpenAIお家騒動は彼の「効果的加速主義(e/acc)」 との対立構造だったのか?
過去にはサム・アルトマン自身はジェフリー・ヒントン博士やイーロン・マスクなどの人物が提唱する AI への慎重なアプローチ、「AI skepticism(AI 懐疑論)」や 「echnological caution(技術的慎重さ)」の立場をとってきました。彼は自らAIの開発する立場として安全なAIの開発のために去年の夏ヨーロッパ、中東、東アジアを周りそれを訴えてきました。それが、11月には今のシリコンバレーに流れている効果的加速主義(e/acc)に変化して行ったため、イリヤ・サツケヴァー氏をはじめとする取締役会と亀裂を生じたと考えられます。
サム・アルトマン氏echnological caution」(技術的慎重さ)立場として世界に協力を求めていった様子はオンタイムでNoteにしていますので、下記のNoteの末尾に関連Noteのリンクを貼っていますので合わせてご覧ください。
取締役会の面々にながれていた「効果的利他主義(EA)」とは
サム・アルトマン解任にいたった取締役会の面々は「効果的利他主義(EA)」の思想を持っているとされています。
「効果的利他主義(Effective Altruism, EA)」は、証拠と理性を用いて、世界を改善するための最も効果的な方法を特定し、行動することを目指す思想です。このアプローチでは、特に慈善活動を通じて、大きなポジティブな影響を与えることを重視します。効果的利他主義は、どのようにして最も効果的に善行を行うかを科学的に研究し、その結果に基づいて資源を配分することに焦点を当てています。この思想は、個人が社会や世界に対して持つ影響を最大化する方法を探求し、様々な問題領域において最大の効果をもたらす解決策を追求します。
サム・アルトマン解任騒動を受けイーサリアム創始者ヴィタリック・ブテリンが提唱した考え方
彼は、2023年11月27日に書かれた「私のテクノ楽観主義」という題名のブログの中でこう語っています。
私は、根本的に変革するテクノロジーのおかげで、現在よりもはるかに明るい未来を信じています。また、人間と人類を信じています。私たちが努力すべき最善のことは、貪欲さを減らして公的医療を充実させて、世界を現在とほぼ同じ状態に保つことだという考え方を私は拒否します。しかし、大きさだけではなく、方向性も重要だと思います。
特定の種類のテクノロジーには、他の種類のテクノロジーよりもはるかに確実に世界を改善できるものがあります。特定の種類のテクノロジーが開発されれば、他の種類のテクノロジーの悪影響を軽減できる可能性があります。世界では、技術開発の一部の方向性については過剰な指標が設定されており、他の方向性については過小評価されています。「利益を最大化する」という公式は自動的には得られないため、私たちが望む方向を選択するには、人間の積極的な意志が必要です。
「分散加速主義(d/acc)」とは
このという名称でイーサリアムの創始者、ヴィタリック・ブテリンが提唱した「Defensive (or decentralization, or differential) acceleration」の考え方を表現する日本語で表すと「分散加速主義(bunsan kassokushugi)」命名できるとおもいます。この言葉は、テクノロジーの進歩と分散化のバランスを重視し、健全で民主的なガバナンスを目指すという彼の哲学を反映しています。
この用語は、リスクを分散して回避し、同時に楽観主義的な観点から技術進歩を加速していくというアプローチを取ります。この思想では、技術的な楽観主義とリスク管理のバランスを重視し、健全で持続可能な進歩を目指します。これにより、テクノロジーの未来に対するより民主的でバランスの取れたアプローチが可能になり、テクノロジーと社会の未来に関する議論において重要な役割を果たす可能性があります。
リポストがサムをe/accと断定した!
サム・アルトマンの発言からは、「効果的加速主義(e/acc)」に近い思想が読み取れます。彼は、停滞(stasis)の試みが誤りであり、成長を選ぶ社会に追い越されると述べています。また、「未来のための戦いは、技術駆動の成長と管理された衰退の間の闘いである」とし、成長の道はリスクや挑戦を伴うが大きな利点があり、衰退の道は長期的な災害を保証すると指摘しています。これらの発言は、技術的進歩とその加速に対する前向きな姿勢を示しており、効果的加速主義の視点と一致しています。
これこそが、イリヤ・サツケヴァー氏率いる旧取締役会との断絶の理由であったと自分で公言したポストであったともとれます。
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