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Photo Story|頭高-かしらだか-/Kasiradaka

PENTAX KF f6.3 1/250s 270㎜ Siozuoka Simada
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「頭高-かしらだか-」

チチチッ
チチチチチッ
チチチッ

すぐ側から
少し甲高い鳥の声が聞こえてくる。

辺りを見回して探してみると
ちょこんと川原沿いの瓦礫に1羽が小鳥が。

チチチッ

おもむろに吹く風が
彼女の柔らかな羽毛をなびかせていた。

チチチチチッ

甲高くも優しいその声は
耳に障ることなく
ただただ誰かを待っているようだった。


Photo Story

前回の続き。

川原沿いにはたくさんの鳥たちがいる。

大きな鳥で言えば
アオサギやコサギにカワウ、
空高くにはトビなんかも飛んでいる。

空高くを舞うトビ

この日は見れなかったけど、
カワセミなんかもたまにいたりと
結構色々な数の鳥を観察することができる。

ピラカンサの木に止まるツグミ

普通に歩いていると
全く気が付かないだけで
色々な野鳥が身近に存在している。

珍しい鳥なんかを見ると
ちょっとテンション上がったりと
野鳥もすごく大好きだ。

今回の写真のホオジロに出会ったのは
カメラ散歩を終えて家路に向かう道中だった。

カメラのバッテリ残量もほぼ無くて
もうおしまいかなと思っている中で

チチチチと
甲高い声で地鳴きをする鳥が近くで聞こえる。

鳥の声を近くに聞くと
ピタッと足を止めてついつい探したくなる。

慌ててカメラのスイッチを入れて
ゆっくりと周囲を見渡す。

すると
距離にして5mほどに
小さな小さな小鳥が1羽。

その姿は逆光を浴びていて
肉眼では誰なのか何なのかわからず。

なんとなく目が合った気がするも

チチチチッ

お構いなしに可愛らしい声で鳴き続けていた。

僕が持っているカメラはズームレンズで
ある程度のアップ画は撮れるものの

こうした野鳥などの動物の撮影では
ちょっと物足りない感じ。
つくづく望遠レンズが欲しいなと。。。

やむなくその場所から
最大ズームでカシラダカにピントを合わせる。

すると少しだけ強い風が吹くと同時に
僕に気がついた彼女はふとこちらを振り向いた。

その瞬間
なだらかに丸みを帯びていた頭の羽が
ふわっとトサカのように浮き立っていた。

かっかわいい・・・

自分の髪の毛も同じように
フワッと風に吹かれて浮き立っていることは
全く気がつくこともなく

ただひたすらにカメラを向けて写真を撮る。

カシラダカとカメラを向ける僕。

この瞬間こそ
何か意識が繋がっているような気がする。

だからこそ
それ以上近づいてはならないと
分かっていたはずなのに

1歩踏み出してしまうと、
慌ててカシラダカは空高く飛んで行ってしまった。

ごめんねと
ありがとうを口にしながら

彼女は遠くの方まで
飛んでいくのをぼーっと見ていた。

なんかこういう時間
めちゃめちゃいいなぁと。

そこに自分がいるっていう感覚。

気がつけば
この先何しようかなぁとあ
あの時あんなんだったなぁとか

過去と未来ばかりを考えて
今現在を生きているっていうことを
どこか蔑ろにしている気がする。

ただこの瞬間
この瞬間だけに没頭する。

いつからか
没頭するということを
忘れているような気がした。

まさにカメラの時間は没頭の時間。

今日もどこか美しいものを探しにいくのだった。


ご覧いただきありがとうございました
どうぞ倖せが繋がりますように!

2023年11月22日


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