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ピアノがやってきた③

心筋梗塞での入院中に合唱活動を休止し、電子ピアノを買うことになった経緯についてはこちら

電子ピアノに求める条件は次の通り。据置型で無いこと。ピアノの音がよいこと、というより好みにあうこと。ピアノ以外の楽器の音が豊富で質のいいこと。予算は20万以下。まずはメーカーのWEBサイトを徹底的にチェックする。

ヤマハ 据置型のクラビノーバは現代の電子ピアノの代名詞だが据置型だ。P515がクラビノーバと同等の性能を持っていて持ち運びが可能なギリギリの22kg(本体のみ)。前回書いた通り、ピアノ音源は申し分ない。それ以外の楽器の種類もほぼ全てを網羅している。第一候補だ。

カワイ デザイン、雰囲気、価格ともヤマハと同格のES8が候補となる。ピアノ音源はいつも表参道のカワイショップの店頭で光り輝いているカワイの最高峰シゲルカワイだ。映画「蜜蜂と遠雷」で栄伝亜夜がプロコフィエフ3番を弾いているあのピアノだ。第二候補。

カシオ 据置型が中心だが、ポータブルはプリヴィアだ。価格の安さは魅力だが、ピアノの音源がWEBのデモを聞く限りはちょっとチープ。特定のピアノからサンプリングされたものではないようだ。ただ業界初のタッチパネル採用とコンパクトさには惹かれる。

ローランド バンド時代にはお世話になった伝統のキーボードメーカー。右手・左手のスピリットの音量調整ボリューム、イコライザーなどがコントロールパネルにスライダーで設置されており、ライブ演奏での利便性を意識しているのはさすが。ただピアノの音質はデモを聴く限り少し機械的。

約2日かけてメーカー検討した結果、カシオは対象外となった。これからの音楽人生をともに歩むパートナーとしてはやはり物足りなさが気になったからだ。決して悪いわけではない。これからピアノを趣味として始めようという方には間違いなくおすすめする。価格、サイズ、デザインは素晴らしいし、音色、鍵盤メカニズムともクラスを超えた素晴らしい出来と感じた。

ヤマハ、カワイ、ローランドに絞り最終選考に入ったところYouTubeでうってつけのサイトを見つけた。ロンドンの楽器商のサイトで候補3台の音比べをしてくれている。こういう比較広告は昔から大好きだ。半音階での3オクターブスケールで第一印象が決まった。一言で言うとヤマハは輝き、カワイは優しさ、ローランドは硬質さだ。続いてはバラードを聴いてみる。ヤマハは歌い、カワイは語る。ローランドはこの時点で残念ながら選考から落ちた。語る系なのだが、音の硬さのせいで流れが止まるのだ。歌い手としてはピアノであってもメロディーが歌ってくれるのが欲しい。ショパンを弾くなら絶対だ。さらにJAZZ系で比較。ヤマハはバランスはいいのだがパンチに欠ける。カワイは低音の豊かさと強い打鍵に対しての発音がよくとてもいい。ローランドは硬さがプラスに出て、とてもノリがよく感じられる音になった。やはりローランドはバンド向きなのだろうか。

さあ決勝戦だ。ピアノ以外の音で比較はこのサイト。これはヤマハvsカワイの一騎打ちになっている。長くなるので割愛するが、総合的な出来はおそらくカワイだろう。だが私のチョイスはヤマハP515だった。どの音色もやはり自分の耳にしっくりくるのだ。特にコンサートグランドCFXの音はずっと聴いていたくなるほどだ。決めた。P515を退院したら買う。

しかし退院後には思わぬ障害があり、なかなかP515を手に入れることができなかった。これについてはまた次回。



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