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市場の失敗とは|分かりやすく説明してみた

こんにちは秋人です。

今回は市場の失敗について超わかりやすく説明していきたいと思います。

この記事を読むことで、市場の失敗については十分な知識が得られます。

「分かりやすく」をメインに書いていくので、専門的用語や、数学的な説明は省き、できるだけ具体例を混ぜて簡単な言葉で説明していきます。


前提: 市場 と 市場メカニズム について


まず、前提として「市場」「市場メカニズム」について理解する必要があります。

市場とは、「売り手と買い手が、商品と通貨を取引する場所」のことです。

例えば、魚市場だと、売り手が商品として魚を、買い手がその魚の対価としてのお金をそれぞれ交換します。

つまり、

①売り手と買い手が存在して
②ある特定の商品を取引し
③その商品に対する対価が支払われる。


この3つの全てを満たすものが市場です。

市場については理解できたかと思います。これを前提に「市場メカニズム」について説明していきます。


まず、需要と供給について。

需要は、購入したいと思う量のことで、供給は、生産したいと思う量ことです。

これを理解した上で、次の2つをまとめて市場メカニズムと言います。

①需要が増えれば価格は上昇し、需要が減少すれば価格は下落する。
②供給量が増えれば価格は下落し、減少すれば価格は上昇する。

つまり、

①は、人気のあるものは値段が高くなって、そうでないものは安くなる、ということで、
②は、たくさん作れば安くなって、あまり作られなければ高くなる、ということです。

この需要と供給が相互に影響しあって価格が決定されます。その価格を市場価格と言います。

以上が市場と市場メカニズムの説明です。


本題: 市場の失敗 とは


いよいよ本題に入ります。まず定義から。

①市場メカニズムが機能しない状態
②そもそも市場自体が成立しない場合

これら2つを含め市場の失敗と言います。


市場の失敗を引き起こす原因は主に以下↓の3つあります。

①独占・寡占
②外部効果
③公共財

では、それぞれについて説明していきます。


①独占・寡占

独占は聞いたことがあると思います。寡占は「カセン」と読み、独占のゆるいバージョンみたいな感じです。

厳密に言うと、独占は1社で、寡占は数社で、市場を独占してしまっている状態を指します。

たくさんの企業がいると、消費者に買ってもらうために他の企業よりも価格をできるだけ安くしようと競争をする一方で、

競争し合う企業がほぼいない状態だと、価格面で競争する必要がなく、市場メカニズムが働かなくなります。


以下は余談ですが、このような状態になると、企業はアフターサービスやデザインなどの価格以外で、競争しようとします。

また、消費者側も価格で商品を判断するのでは無く、①他の人の消費行動に釣られて商品を買ってしまったり(デモンストレーション効果)②企業側のCMなどに釣られて商品を購入してしまったりします。(依存効果)


②外部効果

まず定義から。

「ある人の経済行動が対価の支払いなしに、他の人に利益や損害を与えること」です。

これは「対価の支払いが無い」という所がポイントで、上記で説明した市場の条件を満たしていないので、そもそも市場が成立せず、市場の失敗に当たります。

外部効果とは、「外部経済」「外部不経済」の総称で、外部経済はプラスの影響を、外部不経済はマイナスの影響を与えることを指します。


外部経済の例と挙げると、駅を建設することで、その地域の地価が高騰したり、経済が活性化したりするプラスの影響を与えるわけですが、そこに、プラスの影響を受けたからと言って、駅を建設した会社に対して対価は支払わないのです。

外部不経済の例は、公害や環境破壊などが挙げられ、例えば工場の排気ガスによって、その地域の大気を汚染するという損害を与えてしまうことです。
現代は、このような外部不経済を軽減するために、法整備などがちゃんとしています。例えば、損害による経済的損失を発生させた企業に対して補填させるPPP(汚染者負担の原則)などがあります。


③公共財


公共財は民間企業が提供しようとしないため、そもそも市場が成立しません。

例えば、一般道路、消防や警察などは、建設費、人件費などの多額の費用がかかっているのにも関わらず、私たちはそれらを無料で利用することができます。

そうなると、企業側は明らかに割りに合わないですよね。だから民間企業は公共財を提供せず、代わりに国がやっている訳です。


以上で終わりです。

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