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酩酊

僕は、酔っ払った。
だけど、それでしかない時間を共有して、とても暖かい気持ちになっている。
何が浪費で、何が生産的なんだろうか。
僕には、とても難しい。

確かなことは、掴めないこととして、納得している。
それでも、正しいことは何なのかと考えてしまうのは、なぜだろう。
昼に食べた、汚い中華料理屋の、とても美味しいかた焼きそばを思い出してしまう。
気が狂ってしまったことのある自分の考えは、信用ならないけど、確かな実感の答えはそこにある様な気がしている。

長い沈黙の末の、応答はある。
それは、微かだから気をつけないといけない。
今であって良かったと思える。
それだけで、今の酩酊に意味はある。

僕は、まだ現実にいる。乱暴な世界だけど確かにいる。
そこで、何をするのか。
まだ、何をしたいと思っているのか。
それは、もう、知っているはずだ。
破綻した世界で、正しさを見出す事は、とても難しい。
だって、全ては破綻しているのだから。 

それでも、美しいものは何かと考えてしまう。
信じられるものがなくなっても考えてしまう。
彼の死を想う。
その中の、生温さを想う。
僕の船は壊れてしまった。
泳ぐしかない。
そういうことだ。

それでも、優しさに縋ってしまうのは、人の弱さか。
僕は、混乱している。
どうしても、愛しているものがある。
それは、音楽だ。
それだけは、確かだ。
今も聴いているこの音楽だ。
それだけでいい。

答えは見つからない、夜の始め。
いつも通り、信じることができるのは、音楽だ。

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