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言葉が始まった

知らぬ間に、年を取る。
僕は、今年で40歳。
何者にもなれないまま、未だに10代の様な気分でいる。
何にだってなれる、ルー・リードとだって話せるさとか思っている。
現実が壊れる瞬間を何度も見て、そんなことを仕事にしている。
ああ、この壊れた空間にいるのは、僕だけではない。それに、安心するが、僕の優しさは年を取って、どんどん醜くなっている。
全ては己のせいだ。
だけど憂鬱を、グラスに傾ける。
正しかったのは何だっけ、醒めない夢が現実になって、幼い僕は取り残されたまま。
ただ、世界を窓から覗いている。
ああ、辛いな、ああ、嬉しいな。
だけど全ては、他人事だ。
何もできない。

夜桜を、電車の窓から見た。
この体の窓から見た風景は、色褪せていたけど。
桜は美しかった。
どこかで、いつか救われると、ずっと思っている。
そもそも、ヒーローは僕だ。
そうずっと願っている。

どうすれば、そう、どうすれば。
本当は、僕だって、他の人々だって多くの言葉を持っているはずで、どうやったら取り戻すことが出来るのだろうと考えている。
みんな子供でいたはずなのに。

無くした言葉を、少しだけ拾った気がした。
少し今日は、酔っ払っていた。

助けてほしい、自分自身から。
そう、ダニエル·ジョンストンが歌っていた。
僕も、そう思っている。

歌を作ろう、憂鬱を昇華して。
ピアノも弾いてみよう。

もう少し、あと三年したら。
何かが見える気がする。
そんなことは、ないかもしれないけど。

今日は、酔っ払っていた。
だけど、必要な階段を一つ昇った、
そんな気分だ。

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