<第8回>ラグビーにおけるプロデューサーとは何をやる仕事?」
7月から東芝ブレイブルーパス東京・プロデューサーに就任し、早いもので2ヶ月が経過しました。
みなさまにも関心を持っていただき、「そもそも何をやるの?(やっているの?)」と尋ねられることがおかげさまで多くあります。
プロデューサーというとテレビ業界や芸能界におけるイメージが強いと思いますが、私がイメージするプロデューサーの役割は
「さまざまな課題やチャンスに対して最適解を創造し、実際に結果を出すまでコミットする」
といったところでしょうか。
(自分で書いておきながら、読み返すと何を言っているかよくわかりませんが苦笑)
実際、肩書き自体が重要なのではなく、重要なのは「何をやるか」です。
私自身、今後のラグビー界にとって必要なことと感じていたのは
「フロントスタッフのプロ化」でした。
ラグビー界は2022年、リーグワンが発足し「プロリーグへの道」のスタートを切りました。
そもそも「プロ」とは何を意味するのか?
日本のスポーツビジネス界で数多く解釈され、議論されていることです。
「アルバイトや他の職業に就かずに、その競技のみに専念する。そのために充分な報酬を得られる」ことがプロのように捉えられがちです。
しかし、実際にはプロの概念や実態は競技ごとやチームごとでさまざまです。
ここではそういった論点ではなく前述しました「フロントスタッフのプロ化」について話を進めたいと思います。
細かい事実関係は調べられていませんが、ラグビー界の歴史を辿るとラグビーの世界的統括団体がアマチュア条項を撤廃してから、監督や選手が各チームとそれぞれのタイミングで個別にプロ契約を結ぶということが進行していったように感じます。
強化を進めたいチームが、世界的に優秀な監督を招聘する際にプロ契約を結んだり、選手サイドからプレーのみに専念したいという要望を受ける形でプロ契約を結んだりと。
一方で経営サイド、運営サイドであるチームのフロントサイドでプロ契約という事例はまだまだ少ないと思います。
これはラグビーチームを運営する親会社における、あくまで1つの部署としてのラグビー部活動である歴史が長かったこともありますが、そういった観点からもリーグの考えは「チーム運営をプロ化するためにも別法人化を」という考えに至っていると思います。
ここではチーム形態が混在しているラグビー界の是非を論じる気はありません。
各チームにチームごとの発足時からのさまざまな経緯やラグビー活動に対するスタンスがあるため、それぞれの事情があるのは当然です。
そのような背景や前提の中、リーグワン初年度は「東芝ブレイブルーパス東京」と「静岡ブルーレヴズ」の2チームがラグビー事業会社としての法人を立ち上げました。
その中で、さまざまなタイミングが重なり、私自身が「プロ(契約も意識も)としてのフロントスタッフ」として東芝ブレイブルーパス東京と契約を結ぶという形になりました。
私が目指すプロデューサー像はいわゆるタレントや歌手のプロデューサーのように「派手な何かを!」や「アイディア出して派手に売れっ子に!」ということではありません。
こういった過渡期である業界内、組織内において「縦横斜めに存在するあらゆる課題に向き合い、1つずつ解決していく」というイメージです。
当初はCVO(Chief Visionary Officer)も候補に上がりましたが、結果的にプロデューサーになりました。
8月15日に行われました記者会見では、東芝ブレイブルーパス東京の荒岡社長から「会社は大きく分けて3つの事業部がある。星野プロデューサーには3つの事業部すべてに机を用意して働いてもらっている」というコメントがありましたが、本当にそういう環境を用意していただきました。
おかげさまで東芝ブレイブルーパス東京のスタッフの方々は、みなさんポジティブマインドの方しかいません。
薫田GMが選手獲得の際、「良い人間がどうかを見る」という理念が選手だけでなく、組織全体に浸透されているなと感じています。
しかし、どんな組織でもチームでも課題は常に山積です。ファンの方々、チームの方々、関わる方々がwin-win-winになれるような解決策を考え、評論家ではなく実働部隊として頑張っていきたいと思います。
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