【15】言葉の重み『読書という荒野』見城徹

言葉には重さがある。
誰が発言したか、どれだけ考えたか、どんな言葉を使ったか、どんな状況で発言したか

活字離れという言葉を聞くことがある。
紙に書かれた文字を読む量は減ってかもしれないが、スマホやパソコンを通じて読む文字の量はむしろ増えていると思う。

これだけ多くの言葉を読んでいると、「言葉の不感症」のような症状になる。感動、情熱、勇気などありふれた言葉を見ると、またですか、という気持ちになってくる。


本書は、斜陽産業である出版業界で幻冬舎という新しい組織を立ち上げた
編集者 見城徹さんの読書論である。

読書というとインドアで物静かなイメージが強い。
しかしながら見城さんの読書は真逆である。

読書を単なる情報収集の手段とせず、「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」を重視している。
だからこそ、読書を通じて得た経験を自分の人生に照らし合わせて、自己検証することを常としている。

編集者として自分の人生をから紡ぎだされる「言葉」を唯一の武器として多くの作家を口説き落としてきた。
「人を動かすには、一にも二にも頭がちぎれるほど考えて、言葉を選択するしかない。」

読書に対するイメージが変わり、言葉の重さを実感する一冊

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