見出し画像

2021年田植えまで Part2

前回の続きです。

油断と対策

お酒の仕込みも終わり、蔵の片づけに勤しむ4月の中旬ごろ、そろそろ有機物分解で溜まったガスを抜くために水を抜くかなと思っているときに気付きました。

画像2

画像1

生まれとる…

さあ困りました。水は2日くらいは抜いておきたい(ガスがたまっていると稲が活着せずに浮いてくると聞いているため)。でも抜いたら彼らが干からびてしまう。

画像3

悩んだ末、苦肉の策ではありますが、田んぼの内側に畔をつくり、畔の間は常時水を貯めることができるような溝をつくりました。退避溝といいます。

画像4

このままだと出入口が少ないので途中途中に塩ビ管のトンネルを設置しました。なんとか泳いでここまでたどり着いてほしい。ちなみに遊泳能力のない卵塊はすくってここに入れておきました。

慎重に水を切り始めました。じっと見ていると小さなイトミミズやなんやらが流れてしまっています。そして生まれたばかりのオタマジャクシも流れに逆らうことができず田んぼの外へ行ってしまいました。ごめん。
結局退避溝の効果はどれほどあったかわかりませんが、また水を入れてから生き物が戻ってくるまでが体感早く感じたので、無いよりはよかったのかもしれません。来年はこの時期に水を抜かなくていいよう秋から土づくりをすることで有機物の分解を済ませ、春にガスがあまり発生しないようにします。

田植え

画像5

4月30日と5月1日に弊社社員で田植えをしました。今回は農作業の苦労を味わうことと、2本植えにしたくて手作業にしました。後者については、育苗時に播種する量を調整することで解決できるでしょうが、機械で植えると1株最低4~5本ほどになるという問題があります。少ない本数で植えた方が受光態勢や根の伸び、分げつの阻害等の問題が起きにくく、健全な育成が耐病性にも繋がるそうです。農薬を使わない分、少しでも対策になればいいですね。

画像7

田植え近辺の時期がカエルの繁殖最盛期だったようです。写真は上がナゴヤダルマガエル(絶滅危惧ⅠB類)っぽい個体と下がトノサマガエル(準絶滅危惧)っぽい個体。両種は見た目だけでは種判別が難しいので「ぽい」としておきます(種判別ポイント(トノサマ/ダルマ):背中に線がある(ないのもいる)/ない、おなかに模様がない/ある(ことが多い)、黒い斑紋がくっついている/離れている、など)。難しいことに輪をかけて、(「ぽい」なのでたぶん)写真の通り雑種をつくってしまうのが問題になっています。ある研究では見た目でトノサマだと思ってもその24%ほどは雑種だったり、逆にナゴヤダルマだと思っても7%ほどは雑種だったりしたそうです。
(興味がある方はこちらに簡単な記事があります:https://www1.gifu-u.ac.jp/~aiwa/research.html)。

田植えの次の日は皆さん筋肉痛に苦しんでいました。5日ほど痛がっている人もいました(私の妻)。慣れていないこともあると思いますが、昔の農家に敬意を払わずにはいられません。みなさんすごい。

近況報告

田植えから一月近く経ち、稲もオタマジャクシも大きくなってきました。

画像6

オタマジャクシの密度が大変なことになっております。どれだけ成体にしてあげられるのかが管理の悩みどころ。策を講じなければ…


おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?