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雨、雨、雨。

暑さのピークも過ぎた今日この頃、みなさんいかがお過ごしですか?連日の雨続きでどんよりした気分になっている方もいらっしゃるでしょう。

私もです… _(:3 」∠)_

今回は少々どんよりな内容のお話しです。

そろそろ水を抜く

こちら前回の記事でも紹介した7月30日の様子ですが、

それから1週間後の8月6日では稲の受粉が終わった籾に栄養が送られて始めたのか、穂が垂れ下がり、色もうっすら黄色くなってきました。出穂日から逆算すると、稲の刈り取り予定が9月頭くらいになりそうです。この里山の田んぼはかなり水持ちが良く、逆に言えば排水性が悪い土壌です。コンバインで稲刈りする場合、その重みで沈まないよう地面を固くしとかなければならないので、通常10日前のところ、みなさん20日前には水を抜いているそうです。特に生育に差し障りはないと言う意見も多いので、私たちもお盆前の8月10日に水を抜きました。

台風、のち前線

水を抜く前から、実は嫌な予感がしていました。伸び過ぎなのでは、と。育てている夢山水はもともと長稈になる品種で、農協では84cm以下に草丈を抑えて生育させましょうと指導しています。ところが私たちのは1m近くになってしまいました。原因は色々ありますが、大きな原因は、葉色が濃く推移していることから窒素過多と思われます。思ってた以上に地力が高かったか、以前の肥料が残っていたのでしょう。最初の土壌分析で窒素を分析しなかったことが悔やまれます。

水を抜く直前に台風がやってきました。このように少々縦に線が入ってしまいました。縦に入ってしまった原因は、カメムシを取ったり、有機農薬を撒くなどした際に圃場内を歩き回ったせいで根が切れてしまったことだと思われます。いらない労力でした。

まあ、これくらいならなんとかなりそう、と思っていましたが、次の長期に及んだ前線の影響がかなり出てしまいました。

9日間もの間強い風と豪雨によりあれよあれよと倒れていく稲たち。雨量を見ると、山中なので同市内よりも2倍近く降っていたようです。生育管理のミスのせいで大打撃でした。

地面につかなければ何とか収穫できるのですが、このようにべったりついてしまったものは諦めるしかありません。申し訳ない。

ただ、全国的に見れば私たちの被害なんて小さなものです。ニュースで水没した田んぼを見かけると心が痛みます。今後は天気も回復するみたいなので、しっかり収穫できるものを収穫して、酒造りに望みたいと思います。

番外編 カメムシ害調査

カメムシの食害にあったであろう籾がどのように生育してるのか、酒造りに使えそうか気になったので、成熟途中の籾の観察を行いました。

穂からさまざまな色の籾がついたニ次枝梗を一本取ってきました。12個ついてます。

順々にカッターで籾殻と玄米に分けて見ていきます。

上から順に見ていきます。1個目は途中までは成熟していたものの、残念ながら中身が腐ったシイナになっていました。籾殻をみるといくつか茶色の斑点はありますが、殻自体はまだ生きている色をしています。
2個目の籾殻は茶色になっていて、中身の成熟も途中で止まって、少しねじれています。ただ虫眼鏡で観察しても米粒表面にカメムシの食害跡の茶色や黒い点はありません。
3個目は籾殻の上部や側面に跡がありますが、米粒には跡は見られません。健全に育っている途中ですね。

4〜7個目は成熟した籾で、籾殻に跡があるものの米粒には全く影響はないようです。
余談ですが、写真では見にくいのですが、内3個はちゃんと心白という中心部にデンプン粒が過疎に詰まっている酒米特有の部分が確認できました。一安心。

8〜12個目です。8個目以外は成熟途中で、8、9、12個目は籾殻にも跡はなく、当然米粒にも跡がありませんでした。
10個目は生殖段階でのミスが起きたようです。右側は雌しべの柱頭で、ぷっくりしているので籾殻が茶色でもまだ細胞は生きていたようです。
11個目は籾殻に斑点があるけども、米粒は無事というものでした。

たった12粒観察しただけですが、よくカメムシ害として言われる斑点米は、籾殻に食虫跡があったとしても必ずしも発生するわけではなさそうです。弊社には稲の開花期にクモヘリカメムシの大群が押し寄せてきたのですか、多くは籾殻のやや内側の汁を吸っていただけで、米のデンプン質を吸う頃には籾殻が硬くなってかは分かりませんが、少なくとも吸いづらくなると考えられます。
クモヘリカメムシによる害はそれよりも1、2個目の籾のように、おそらく水や栄養供給のためのパイプに被害がでて機能に支障が出てしまうことで、籾の生育が止まってしまうことの方が大きいように感じています。

おまけ

夏になったらどこからともなくバッタが急に増えました。

コバネイナゴ。わざわざ不安定な稲の葉っぱを飛び移って行動しています。

ショウリョウバッタ。稲にもいますが、身体も大きいので畦に多め。


おわり。

P.S. 
30歳になりました。ギックリ腰になりました。
歳を重ねる辛さを知りました。

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