お蔵入り論文②
この結果をもとに考察してみました。
今後、
ますます高齢化が進み、
我々治療院に来院される
クライアントの大半が60歳以上の昨今、
老化による様々な症状や病気によって、
我々の技術も多種多様化しており、
とくに
変形性脊椎症、
変形性関節症、
骨粗鬆症などは
施療による事故の危険性が高まっている。
カイロプラクティック手技療法では、
パルペーションにおいて
正確な情報を少しでも取り入れ、
患部の緩和操作を施し、
アジャストおよびマニピュレーション
を施療することを
禁忌症対策、
高齢化対策
として指示されておりますが、
施術者の技術レベルに差があり、
熟練者レベルには
簡単に出来ることが、
研修生レベルにはとても難しい。
今回、
ストレッチにより、
ある程度のアジャストなしに対する
統計データが得られたことは
収穫が大きい。
筋肉に異常がある場合、
トリガーポイントが必ず存在する。
トリガーポイントは、
骨格筋や深部筋膜などに見られるが、
靭帯、腱、瘢痕にも見られる。
この部分を圧迫すると
深い痛みと鈍痛が生じる。
更に
痛みは
関連痛として、
その筋肉の協力筋にも影響を与える。
本来、
健康で正常な筋肉には
トリガーポイントは存在しないし、
深い押圧に対しても過敏ではなく
関連通も生じないものである。
本方法によって、
アジャストなしに施術した筋肉において
損傷レベルによって
トリガーポイントの消失・改善がみられた。
本方法は
脊柱関節の運動方向、
筋肉の運動方向
を理解する必要がありますが、
施術感覚を覚えるのは
それ程時間がかからない。
ストレッチの注意点としては、
脊髄神経の中で
最も牽引されやすい個所として
頚髄(C4~C7)の神経幹は
上肢を外転すると一直線上に繋がるため、
頚椎・上肢体・肩関節の運動で、
これらの神経に
特に強い外力が加わるので損傷を受けやすい。
カイロプラクティックにおいて、
確かにアジャストの効果は絶大であるが、
クライアントの症状によっては
危険が伴う恐れがある。
そこで、
ストレッチを取り入れた場合、
危険回避と症状の改善が
見込める結果がわかった。
それでは、総括をいたします。
禁忌症および高齢者を施療する場合、
細心の注意が必要となる。
当然、
治療経験の浅い研修所卒業生が
高齢者のアジャストによる
危険性を回避することは、
臨床上極めて困難である。
また、
不慣れなために
アジャスト自体に
恐怖心を持つ場合が多いので、
クライアントにも、
その恐怖心は以心伝心する。
それならば、
アジャストに頼らずに
施術者とクライアントの
カイロプラクティックに対する恐怖心を
軽減することで、
信頼関係を築きあげ、
継続的経営管理をする必要がある。
緩和操作における
アジャストへの布石としての役割は
危険回避
と
クライアントとの信頼関係
が重要である。
もちろん、
アジャストできることが
カイロプラクティックの大前提であることは
忘れてはならない。
この論文は、
青森学会で誌上発表された
私の論文です。
あまり高評価ではなかったので、
お蔵入りしたモノ…
あんまり評価されなくて
寂しいと感じた時代の論文です。
でも、
今の時代なら
必要なデータと思いまして、
アップしました。
皆さんに読んでもらえたら嬉しく思います。
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