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アトツギのアトツギに向けた原体験

アトツギアワード2023残念ながらグランプリはもらえずでしたが、「イノベーション賞」という栄誉ある賞を受賞させてもらい、皆さんの前でピッチさせてもらうことができました。
運営の方からご家族参加OKと連絡をもらい、せっかくならと妻に子供も呼びました。これが本当に良かった。
アトツギの文脈もあって、ただの応援という意味よりも深く感情が入ったんじゃないかと思います。
せっかくなので、準備段階から発表後と時系列に添い、またAVSの感想も交えながら思いを綴りたいと思います。


突然の当選報告

おめでとうございます。当選です。11/25予定空けることできませんか?ベンチャー型事業承継の方からの連絡があったのが10/20。はじめは何のことやらと、そして先約もあったので出場については悩みに悩みました。が、こんな名誉なことはないと思い参加を決断。ここから約1か月の戦いがスタートします。

ピッチの準備

今回のテーマは『イノベーション部門賞』しかし、「イノベーションって何だろうと。」悩んでしまいます。
もちろん、自社でやっている新規事業のウレヒーローのことですが、まだ成果も道半ば。
マスコミの方向け?アトツギ?審査員向け?一体誰に何を伝えようか・・
そして、アトツギアワードも初の開催で今後も永続的に続く賞になるようなアトツギの思いがこもったピッチにしたい。社員にも見てもらいたいとか。色んな思いが交錯します。
とりあえず、資料を作ろうと思いますが中々手が動かない。自薦したアトツギ甲子園の時とは違い難しさを感じるスタートでした。

アトツギバー/Tさんとの出会い

発表の方向性を悩んでいる時、たまたまベンチャー型事業承継の山野さんがアトツギバーを大阪で開催。アトツギと話そうと立ち寄りました。確か11月1週目ぐらい。
当日、アワードの相談はせずに、「家業をもっと良くしたい」「なぜ家業に帰ったのか」「今父親が自分を子供としか見てくれなくてそれが嫌だ」とかとかアトツギらしい話で盛り上がり少しずつ発表のイメージが沸き始めます。
決定的だったのが、その中で帰りに、初めましてのTさん(アトツギではない方)と一緒に10分ぐらい駅まで歩きながら会話をしました。
その会話はTさんから、
どうしたらもっと日本のモノづくりが成長しますかね?
という質問。
僕は
熱量じゃないですか?」と即答。
「実績があればやりたいです」「上手くいったらやります」「上司の許可が出れば」のような思いではなく、担当者レベルで「それ社会のために絶対やりたいんです」「何なら国策として実現しないとダメなんです」のように使命感を持っているかどうか。これが今の世界と日本との差じゃないですか。
と、まぁ今思うと何を偉そうにと思う事を酔っていたのかベラベラとしゃべっていました。
そしたら、Tさんがものすごく共感してくださり、過去から今にかけての熱量あふれる武勇伝を教えてもらいます。具体的にはここでは書けませんが、「高い技術力や莫大な資金がなくても、身一つでイノベーションは十分起こすことができる」何を持って成功にするか人それぞれかもしれないが結局は「熱量の有無」という内容の言葉をもらい、その日に発表の方向性はかなり定まってきました。
(感動して帰りに熱くTさんと握手をしました。もう完全に酔っています)

アトツギとの壁打ち

それからさっそく資料を作ります。4分でイノベーションや熱量についてまとめなければと試行錯誤しながら確かTさんとの出会いから5日ぐらいかけて資料を作ります。

1発目の資料はこちら。※PPTからドライブに変換しているので一部画像は崩れています。

これでアトツギのみんなに壁打ちしてもらいインプットをもらうと、
・感情がこもっていない。
・ウレヒーローが凄そうなのは感じたけど…思いが伝わらない
一言で言うとイマイチな出来栄えでした。
自分で話していても、これ誰向けに話しているんだろうとぼんやり。
結局4分で両方を伝えようと思うとものすごく中途半端。
インプットで出たのが、「アトツギとしての再現性」が大事なんじゃないかという意見。ウレヒーローを作るという事自体に再現性がないし、社会的課題を解決していたとしても。それは凄いですね!で終わってしまう。確かにその通りだ。
これがアトツギ通しの壁打ち。
普通なら、
・如何にすごいイノベーションか。
・如何に事業の発展性が起こるのか。
・如何に社会性があるのかないのか
このようなブラッシュアップをすると思います。
もちろん、そういうインプットもあったし、今回はそっち方面に精通した方からのインプットが不足したもの反省点ではあります。
ただ、最も議論した「アトツギとしての再現性」。
「なぜ家業に入って、自分がなぜSNSをはじめたのか」これはアトツギらしい面白い着眼点。そして、すっとスライドのイメージがわいてくる。その明確な理由はわかりませんが、自分の思っている事を言語化するのである種言いたいことを言えるからかもしれません。

家族が来てくれる。

そして、方向性を決めるのに決定的だったのは7歳と5歳の子供が見に来ることになった点です。承認欲求とは違う、父として何か伝えないといけないという使命感
・何で斎藤塗料に帰ってきたのか
・パパが普段どういう思いで仕事をしているのか
・がんばるってどういうことなのか
発表する言葉をよりわかりやすく、そしてもちろん、妻にも伝わればと表現や画像を工夫。
アトツギ甲子園の時と違い、練習を家で見せない(今思うと無駄w)当日まで家族にも発表の内容は内緒にしようと、みんなが寝てからや外や電車の中で練習を続けました。

AVSに参加


@渋谷スクスク44Fのエヌエヌ生命さんにて

AVSというアトツギの祭典に当日の朝からたくさんのプログラムに参加させてもらいます。その中でも随所に、自分がやるしかない。チャンスがあったらとにかくやってみる。Tryするということ自体が社会貢献。決断とは経つことを決める事だ。AVS自体がマスコミNGの非公開なのでこれぐらいにとどめますが、自分が発表したい思いと一致することが多く、アトツギ甲子園の時は緊張でつぶれそうでしたが、今回は時間が経つにつれ、またプログラムに参加すればするほど発表が楽しみになってくる不思議な感覚に包まれました。

アトツギアワード本番

手袋が本体

安定の手袋をつけて。(おかげさまで手袋の認知度あがっていますw)

上記が当日の発表内容がYouTubeで配信されています。よければ、ご覧ください。ぜひ全員分みていただきたいです。どの内容もかなりすごい。
ただ、改めて見てみると、スタートアップのピッチやICCのピッチと比べても、熱量題材の割に自分はしゃべるのも下手だし、もう少しウレヒーローのイノベーションの凄さを伝えることができたなと反省も色々。あと、例えば時間オーバーしても割と良いんだ感が出ていて緊張感も少し薄い。アトツギ以外の方からの感想を聞いていませんが、アトツギで普段ピッチもしない人だし仕方がないとか思われていたら少し悔しい。が、しかし、次に繋げていくことに関してはアトツギの右に出る存在はいません。第二回は必ずもっと最高の会になります。ご期待ください。

けど、終わった後にアトツギの仲間から
・背景からすごく伝わった。
・なぜやっているのかの想いが伝わった。
・僕は泣いた。
アトツギの再現性」をテーマにしていた自分としては本当に嬉しい感想です。
アトツギ甲子園の時ってウレヒーローすごいですね。とはよく言われましたが、実はあまりこんな感想は出てこなかった気がします。

そして、なんと言っても

自分の子供なのでよくわかるのですが、この表情は結構真剣に聞いてくれています。それが、ものすごく嬉しい。

写真はどの場面かわかりませんが、父と同じ手袋をつけ応援してくれるだけでも嬉しいですよね。写真を見るだけでも泣けてきます。

子供たちの感想

もちろん終わった後に子供たちにどうだった?と聞きました。
「父の覚悟」や「がんばることの大切さ」を伝えたいと資料を作っていたんですが、終わった今よくよく考えると、自分の子供時代を思い出しても、そんな視点ってあんまりないと思うんです。
・かっこいいステージで喋っている。
・みんなから拍手してもらっている。
とか、きっとそういう粒度でものを見ている気がします。
そして、帰りにホテルで聞いた言葉が、

パパが世界一かっこいい

はじめて言われて、普通に泣きました(笑)
挑戦して賞を取るのも当然嬉しいのですが、出て本当によかった。そう思える瞬間でした。

最後に

つらつらと、書きましたが、アトツギアワードに出場させてもらい、また家族に見てもらえるチャンスをくれたベンチャー型事業承継のみなさんや審査員の皆さんには感謝しかないです。壁打ちしてくれたアトツギにも頭があがりません。グランプリをとれなかったのはかなり悔しいのですが、けど達成感はアトツギ甲子園の時より実はあるのではないかと思っています。

そして、子供には当初思っていたことはおそらく伝わっていないかもしれません。
けど、大きくなった時に、きっとこの父の挑戦を思い出してくれると信じています。
それがどういうタイミングなのかはもちろんわかりません。家業を継いでいるのかいないのかも想像もつきませんが、子供が大人になって何かに挑戦している時や熱量を持って仕事をしている時、もうひと踏ん張りする時とか、だと嬉しいなと思っています。
原体験ってこういう事なんですかね。知らんけど。
親としてもアトツギとしても、今後も熱量持って走り続けたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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