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成果を出し続けるグロースPMの行動指針

10年以上の社会人生活と5年以上のPMキャリアを振り返り、プロダクトグロースに重要なことを実行するための指針は何だったのかを考えてみました。

想定読者

プロダクトグロースに挑戦しているプロダクトマネージャー、
またはそれに向き合うすべての人

スコープ

プロダクトのグロース(1→10や10→100)フェーズを対象としています。
0→1でPMFに挑んでいる場合や、100→10Xでプラットフォーム的に広げていくフェーズはまた異なると思うのでご注意ください。

グロースPMの行動指針

結論を先に書くと以下の3つを意識して日々プロダクトマネージメントに向き合う事が重要と考えています。

  1. ファクトドリブン

  2. 理想ドリブン

  3. 学習ドリブン

それぞれの中身を解説します。

1.ファクトドリブン

ファクトドリブンのキモは定量/定性の両面から事実(ファクト)を収集してユーザー像を描こうという事です。どんな企画もまずはユーザーを知る事からはじめて自分の中にユーザー像を描ける状態になるのを目指しますが、そのユーザー像がより正確で解像度が高いほどユーザーの行動変容を起こせる可能性が高くなります。そのために事実(ファクト)と仮説を使い分け、事実でユーザー像を描き、心の動きまで捉えられるようになる事が重要です。

また、事実(ファクト)は可能な限り1次情報として収集する事も重要です。誰かが言ったからや、リサーチレポートなどの2次情報では事実の情報が削ぎ落とされ、かわりに誰かの仮説があたかも事実のように伝えられる事があります。それらを鵜呑みにせず自身で情報を仕入れに行く姿勢が必要です。

『ファクトドリブン』は前職の上司が組織の価値観として定義していた事の一つでした。最近だとLayerXでも『fact base』を行動指針に打ち出していたり、さまざまなシーンで"ファクトは?"と誰かが叫んでいるのを見るようになりました。情報を仕入れるのが容易になってきた世の中に対して重要な価値観だと思っています。

2.理想ドリブン

プロダクトマネージメントのすべては『仮説検証』ですが、その仮説を大胆で挑戦的な発想で描くために必要な考え方です。

事業を成功に導くためには「縮こまった発想で何も学べない仮説検証」を避ける事が重要です。成果が想定より出なかったとしても、しっかりと理想の仮説を見つけ出し、ユーザーが描いた理想とのギャップがどこにあったかを分析する事でユーザー像の解像度を高めましょう。またビジネス視点、開発視点の理想とも比較もする事でプロダクトマネージャーとしての意思決定の質を上げていく事が重要です。

この考えは現職freeeのカルチャーである『理想ドリブン』から来ています。以前投稿したプロダクトマネージャー採用で考えている事としてもまとめているので、もし興味があればご覧ください。

3.学習ドリブン

仮説検証はそのタイミングで終わらせてしまうのでは無く、次の戦略/企画の学びにしていく事が重要です。最終的なゴールとなるビジョンの実現に向けて、「成果を上げること」を最終目標とするのではなく、「何を学ぶか」を出発点として考えるのが重要です。その過程で自然と成果が出てくると考えています。

ファクトドリブン、理想ドリブンも含めて全体像を絵にしてみます。

  1. ファクトドリブンで情報を事実(ファクト)と仮説に振り分け、事実でユーザー像をイメージします。

  2. 事実でイメージしたユーザー像をベースに、仮説の中から最も高い理想(理想ドリブン)となる理想仮説を考え抜きます。

  3. 理想仮説を実装し結果を分析する事で学びを得て、またその内容を情報として1. のサイクルに戻り繰り返します。この全体構成を最終アウトプットで何の学びを得たいかを優先(学習ドリブン)して考えていきます。

この1.~3.のサイクルを繰り返す中でユーザー像の解像度を上げ、自分の描く理想とユーザーの描く理想が一定以上近づいた時から成果が副産物として出続ける状態を作る事ができると考えています。

プロダクトグロースの本質は、このフローのアウトプットである『学び』を得る事です。プロダクトマネージャーはさまざまなスキルを身に着ける事が求められますが、それら全てはこのサイクルの高速化や一度のサイクルで得られる学びを最大化するためにあると考えています。

この『学習ドリブン』の考えは自分で編み出したつもりだったのですが、Udemyにある「プロダクトリーダーシップを磨いてより強いプロダクトをチームで作ろう」講座に『Be Goal-led, Not Goal-driven』というテーマがあり、既にシリコンバレーでも唱えられていたんだなぁと思いました。(ちょっと悔しい)

いかがでしたでしょうか?10年以上の社会人生活と5年以上のPMキャリアを経て至った考えを『成果を出し続けるグロースPMの行動指針』として言語化してみました。

今後もプロダクトマネージャーとしての経験を活かし、他の人の知見として参考になるような記事を投稿したいと思います。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。


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