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『あれこれ飾り付けるより、ゴミを拾って、足下の地面を掘った方がいいよね』

今回は「あれこれ飾り付けるより、ゴミを拾って、足下の地面を掘った方がいいよね」
というテーマで、「ゴミ拾い」と「地域資源の掘り起こし」の利点について、お話しします。

 はじめに



前回の投稿(https://tms-media.jp/posts/1318)でも少し触れたとおり、私たちは毎月「秋川リバークリーンナップ」という河川清掃イベント(以下、「リバクリ」という。)を開催しています。
7月には、東京山側の地域ブランディングを一緒に進めている友人を通じて、埼玉県長瀞町から清水ユウタさんという方がリバクリに参加してくれたのですが、彼も荒川上流域である長瀞地域でリバクリをしているということで、8月は我々が長瀞へ視察&リバクリ返しにお邪魔してきました。
長瀞はザ・観光地という印象の町で、東京山側の地域で似たイメージの所を挙げると八王子市の高尾山が近いと思います。
駅から山側へは宝登山神社(山頂へのロープウェイ)への参道が続き、道沿いに飲食店などが並んでいます。
高尾山と違うのは駅から反対の川側へも、お土産物屋さんなどが立ち並ぶ商店街が続いていて、有名な岩畳という景勝地へも人の流れがあるということです。むしろそちらの方へ向かう人が多いです。
彼の案内による表とウラの長瀞視察では、地域の光と影、魅力と課題をいろいろと知ることが出来ました。

ゴミ拾いを継続することの意義

長瀞町でのリバークリーン活動とATガイド育成の様子

まずはゴミを拾った方がいい理由の実例について
ユウタさんは3年くらい前にこの地にやって来た移住者で、長瀞町を流れる荒川の川ゴミ問題の改善を目的としたブランド『WITH RIVER』を立ち上げ、環境に負荷をかけない自然由来のソープ類を開発し、洗うという小さな行為から、美しい自然と共存できる未来を目指して活動しています。

売り上げの10%は河川清掃などの環境保全活動や子供たちの体験活動などに還元するということで、我々が秋川で実施しているリバクリの理念と共通する部分も多いです。

彼のブランドに本気で共感できるのは、彼のコンセプトが単なる想いだけでなく、日々地域を巻き込んでリバークリーン活動を実施したり、過去には荒川を長瀞から東京までSAPでごみ拾いしながら、リアルな川の変化を体験した事実を基に創られたブランドであるからです。

下水がない河原の近くで体を洗ったり、洗車したりすることは、かなり環境へのインパクトが大きいので、WITH RIVERの理念を体現した洗剤などの日用品が東京山側など川に近接した地域では当たり前に使われる未来を目指したいと思いました。

また、彼が地元から信頼されていることは出逢った人々の反応からよく判りましたし、なかなか条件の良い空き家、空き地の情報が出てこない地方において、ある意味最高の立地にある土地の管理を任されて、体験学習などの拠点を創ろうとしています。これは彼の人徳=リバークリーン活動等の成果なのだと思います。

以上が、飾り付けるのではなく、地道にゴミを拾うべき具体的な事例でした。

足下の地面を掘る

つづいて、足下の地面を掘るべき理由について、お話しします。
この「足下の地面を掘る」という言葉は、秋川渓谷では有名なお食事処「黒茶屋」の社長が若かりし頃、台風と火事で家財の殆どが消失してしまい、絶望の淵を彷徨っていた時に、渓谷沿いに建つ山寺のお坊さんから「無いものは求めず、有るものを数えなさい。」「そして、自分の立っている足の裏の土を掘りなさい。」という言葉からヒントを得て、地域資源を生かした事業を成功させた実話から頂いたものです。「自分の足の裏の土」とは、地域や日本に存在する自然環境や伝統文化のことに他なりません。

さて、私は探究学習プログラムにおいて、こんな話をよくします。
「日本は世界で一番地面が多様で、動く國なんです。
硬い地面や柔らかい地面、いろいろあるので、それが地形の違いを生みます。
地形が変わると気候が変わります。
気候が変わるとその上に生育する植物が変わるので、多様な生態系が生まれます。
地面が動くということは多くの災害が発生することを意味しますが、それは絶えず自然が攪乱されて、美しい景観や多様な生物の生息環境が維持され続けることも意味しています。
だからこの國には世界の人々が羨む、一度は体験したい、一度では体験しきれない独特な自然や文化が存在しています。」
科学技術で世界一を目指すのは大変なことですが、日本にある自然とその上に住む人々が作り上げた伝統は、GAFAMやイーロンマスクでも作れません。
例えば、イザナギとイザナミが天の沼矛(あめのぬぼこ)で大地をかき混ぜて、矛先からしたたり落ちて出来たオノコロ島(沼島)と淡路島の間に存在する中央構造線は、世界に誇る日本中の建設事業者がJV(合同企業体)を組んでも絶対につくれません。
 このように日本列島全体が独特な歴史という資産性を纏っている地域なのです。

この世界一の多様性と変動性を持った魅惑の大地の上で、本邦の先人たちが生き抜くために手に入れた能力の一つに、「造り変える力」があります。
例えば大黒様がどうして大黒と呼ばれるのか御存じですか?
日本は昔から多くのものを海外から取り入れて、それを自分たちのやり方に合うように造り変えて、独自の歴史・文化に昇華させてきました。
秋川渓谷の入口に当たる山の麓には、我が国最古といわれる石造の大黒天像が存在しています。
それが1.5億年前の地層に口を開けた洞窟の中に、目立たず鎮座していたら、「どうしてこんな雑な扱いなの?」と驚くほど、日本の治安の良さと宗教に対する寛容さ自体が、海外の人々にはアメージングな体験になるかもしれません。
このように、破壊神シヴァが、穏やか表情の大黒さんとして商売繁盛の神様に造り変えられたような、日本人の造り変える能力による歴史文化遺産は国内には枚挙に暇がないと思います。
何も新しいものを取って付ける必要はありません。
無いものを求めず、足下の地面をもっと掘りましょう。
遥か昔に神様たちがかき混ぜた日本の土地には、まだまだ世界が驚愕する歴史遺産が埋っていますよ。
だれも造れないし、買うことが出来ない、運ぶことが出来ない最高な地面をもっと掘りましょう!!
しかもそれがフリーで使えてしまうなんて、最高の國に住む我々の先人がつくりあげた遺産を最大限に活用しましょう。
地域資源の活用方法にお困りの場合は是非、みちくさの達人にご一報ください。
東京山側からスタートして、全国から注目されつつあるメソットで、地域に合った方法をご提案します。
弊社団には事業継承のプロ、趣味が昂じて南米アマゾンまで釣りに行くハンター家系の人材、修験道から農業、アドベンチャーツーリズムの推進を手掛ける人材など、ダイバーシティに富んだ人材を多く取り揃えております。 

当たり前の日常になっている地域資源にこそ、もっと光を当てるべき

大黒様で恵比寿様を呼び寄せ、地域再創生

日本には古くから、海の外からやって来るものを縁起物として扱う「えびす信仰」というものがあります。今まさに、海の外から恵比寿様たちが大挙してやって来る時代に突入しております。彼らをこの魅惑の島国でおもてなしするために、そしてこの國の素晴らしさの本質を伝えるための人材の育成にもギアを上げて取り組んでいます。既にアドベンチャーツーリズムを意識した人材育成事業もスタートしています。

まちづくりの協議会の規約をつくって、人選をして、青写真を綺麗に整えて…と、準備に時間をかけるよりは、先ずは地域の地面のこと、歴史の事、自然・文化のことを知るために、リバークリーンやビーチクリーンを始めて、地域内外の人々が繋がる=新たなコミュニティが出来るきっかけを作ってみては如何でしょうか?
地域もきれいになって、感謝されて、そこで掘り出した地域の大黒様と、海外からやって来た恵比寿様を出会わせることで、地域の課題を解決していくことができます。
ということで、恵比寿様と大黒様が揃って商売繁盛、縁起が良いところで、今日の話を締めくくりたいと思います。


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