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わたしがお風呂でドラァグクイーンの動画を観るワケ

今すごい頑張ってる感があります。

だれが?って言えばわたしです。
全身筋肉痛です。

数年ぶりに着た制服がきつくて、
始めた体型改善。
キツくはなくなったものの、なぜか
キツくないところのお肉がぽよんと出てしまい、
体型がどんどん丸くなってきました。

そこで究極のパワーヨガなんてものを
休日だった昨日してみたのですが、
ヨガの最後に必ず組み込まれる
シャバーサナという休息のポーズのまま
寝落ちするくらいには疲れました。

で、今日筋肉痛。

筋肉痛が翌日に来ることに
ほっとする歳になってきたんだなぁと
別の意味で感動したし、
ちゃんと効いててよかった、と
昨日頑張った自分を褒めたい気分です。

体型改善というのは、
基本的には自発的に始めることであって、
だからこそ続けるのが難しいな、と
思います。

日々続けることが大切ではあるけれど、
忙しさ、時間のなさ、いろんなことを
言い訳にして『今日はやめとこ』って思うのか、
『それでもやろ』と思うのか、
意志の強さを問われている気持ちになります。

自分のためだけに頑張る時間、は
本当はかけがえのない時間だと、
わたしたちみんな知ってるけれど、
やっぱり仕事で愚痴をこぼしながら
頑張る時間のほうに気力を
もっていかれがちです。

前置きが長くなったけど、
そこでタイトルのドラァグクイーンのメイク動画。

YouTubeのVOGUE JAPANのチャンネルで
観られるんですが、
わたしはいつもお風呂場にiPhoneを
ジップロックに入れて持ち込んで、
お風呂に浸かりながら観ています。

わたしのお気に入り、
アクアリアのメイク動画。

ド派手なメイク、
風も起こせそうな長く濃いつけまつげ、
大きなウィッグ。
きらびやかなドレスに、
足の骨も折れそうなピンヒール。

彼女たちは日々のステージのために
メイクをしているので、
ステージと縁のないわたしには
真似することがないメイクだとは
思うのです。

それでも観てしまうのは、
もうなんか観ていて圧倒されるほどの
所作の美しさ、内面の美しさ、
そして美へのこだわりの強さがあるから。

変身前もみんな肌が綺麗で
美しいんですが、
幾重にもメイクのレイヤーを重ねていくと
どんどん別人になっていくのもおもしろい。

鏡を見ながら『最高!』なんて
わたしは言えないけれど、
聞いていて違和感がないのは
ほんとに最高に綺麗になるから。

ハイライト入れながら魔法よ!なんて
言われたらほんとにそんな風に見えてきます。

そうそう、メイクって
こうやって楽しんでするものだよね…と
お風呂ですっぴんのわたしは
感動しているのです。

お風呂で観ているのは、
最近になって
お風呂を汚れを落とすところ、から
美を育てるところ、という
認識に変えたから。

自粛期間にいいだけぐうたらし続け、
体も顔も納得のいかなくなったわたしですが、
不満や文句を自分に持ち続けるより、
少しでも自信の持てるほうに
転がしたい、と思い始めています。

マスクで荒れた肌は、
もしかしたら色素沈着してしまうかもしれないし、
太ったお腹の浮き輪みたいなお肉は
引っ込むのかわからないけれど、
とにかくあーあ…と思わずに生きていきたい。

昔母が
テレビに出ている女優さんに
お金かけてるわねぇ…と
呟いたことに、
幼いながら違和感があったのを思い出します。

お金をかければ美しくなるわけじゃないし、
かけなくても美しくなれると、
わたしは思いたいし、
美への投資は無駄と思いたくないなぁ、と
今は思うけれど、

大人になって母との関係性が
友達みたいに変わった時、
あれはもしかしたら
【いいなぁ…】という憧れの一言が
あとに続いていたんじゃないかと
想像しています。

ただ、その一言を口に出したら、
家族のために我慢しているいろんなことが、
悲しくなっちゃうからやめたのかもしれない。

あの頃の母はきっと
今のわたしと同年代、
30半ばで3人の子供を持ち、
まだ専業主婦をしていたから
自由に使えるお金もなくて、
きっとしたいことも
たくさん我慢してくれたんだろうと
思っています。

飲み込んだいいなぁ、と先に声に出した
お金かけてるわねぇ、は
精一杯の強がりだったんじゃないかなぁ。

今の時代を生きるわたしは、
旦那も子供もいない、
自分一人しか抱えていない
お気楽な独身者なので、
その気持ちはわからないけれど。

せめてここまで育ててもらった
恩返しのために、
わたしはなにかの折には
母に化粧品を買って贈っています。

いくつからだって綺麗になれるし、
綺麗な色は年齢に関係なく
綺麗になりたい人の味方になるはず。
そして時間がないからと
廃油石鹸で顔を洗ってわたしを驚かせた
母に、わたしは綺麗でいることを諦めてほしくない。

ここまで3人の子供を育てた母は、
シミもシワもあるけれど、
それで美しいんですもん。

そしてわたしも、
今よりも歳と一緒に美しさを重ねた
生き方をしていきたいし、
今に不満を持つよりも、
頑張りながら上を見て生きていきたい。

ドラァグクイーンのメイクは
ピンクにイエロー、ブルーにパープル、
ニュアンスカラーではなく原色を
カラフルにどんどん重ねて
自由に派手に作り込むメイク。

その派手な仕上がりとは
裏腹に、手順はとても繊細です。
下地の前にはパック、
ベースも下地、ファンデーション
(人によっては4色も!)
コントゥア、パウダー、ハイライト…。

アイシャドウベース、カラフルに
重ねる原色のアイシャドウ、
そのままでも十分に美しい
くっきりしたマスカラ…

そんなところまで?!と太く引く
もはやアイシャドウの幅なアイライン、
失敗してまぶたにマスカラがついたら
ラインストーンでカバー!
どこまでも派手にきらびやかに、
そして自由。

後ろの客席の人にも届くように、と
強く発色させる色やグリッター。

ひとつひとつの工程を丁寧に
重ねていくところに、
女以上の女を感じていいなぁ、
と思ってしまうのです。

所作も美しいし、
なにより自由に(時々規制音が入るくらい笑)
話していながらも
チャーミングさを失わないのは
内面の美しさのなせる技だなぁと。

そうそう、強い言葉を使っても、
美しい顔を保てるのは、
内面が美しい証拠だとわたしは思ってるんです。
本気のFワードを連発する人の顔は
意地悪く歪むけれど、
同じFワードもゴージャス、パーフェクトなんかの
最上級を意味するワードとして使うから、
お茶目さもあって可愛く見える不思議。

たしかにちょっとお行儀は悪いけど、
所作が美しくて、カメラに向かって
水を一口飲んでウインクする、
そんなキュートさがあれば
嫌な気持ちにならないんですね。

自分が美しいと思ったら、
周りの人の言葉は無視よ!と言い切る
ドラァグクイーンたちは、
顔をキャンバスにして自由を描いてる。

たかがメイク、だし、
メイクをする、しないは自由な選択肢だけれど、
それをすることで自分に自信が持てるなら、
わたしはメイクを毎日したい。

すっぴんで気に入らないところに
ため息つきながら外を歩くなら、
その気に入らないところはカバーして、
なりたい顔に近づける努力をしたい。

リップメイクをするのに、
口紅、3色のパウダー、3本のグロス、
を使い分けるアクアリアのメイク動画を観て、
唇のこんな狭い範囲でさえ
部分部分の発色やテクスチャーにこだわるんだ!と
驚いたら、
そりゃ45分のヨガくらい、
頑張りなよわたし!!と
自分に喝を入れたくなるのです。

明日も頑張ろう、って気持ちを
お風呂場で育てたら、
わたしはお風呂から出て部屋を少し整えて、
スキンケアをして眠ります。

アートなメイクは真似できないけれど、
自由なアートみたいにカラフルで
力強いマインドは、わたしも真似できる。

よし、明日も頑張ろ。

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