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Ep.05 小松 香奈子さんとフリートークvol.④

ブラウブリッツ秋田スポーツネットワーク

ゲストの小松 香奈子さんとチームの紹介は以下のリンクをご覧ください。

小松さんのヒストリー

エピソード内でも紹介した小松さんが描かれている記事です。
学生時代のお話しや、バレーボールの思想が読み取れると思います。

クラブチームのマネジメントについて

チームの監督だけでなく、クラブの代表としてチームをマネジメントする立場でもある小松さん。普段から、クラブのメンバーとのコミュニケーションを密にしていることは当然ですが、彼、彼女たちの表情からも読み取るようにしているようです。
私たち指導者は、チームのマネージャーの役割もあると思います。マネージャーとして、あなたが考えるマネジメントとは?という質問に、あなたならどう答えますか。私たちが考えるマネジメントとは、小さいインプットでなるべく大きなアウトプットを起こすというのが、チームにおけるマネジメントだと思っています。マネージャー=管理ではなく、チームが大きな成果を上げるために必要なプロセスを探り、それをチームに実装、実践して、成果を上げるのがマネージャーの役割はないでしょうか。
コロナ禍で、リモートワークが採用され、各企業が1on1ミーティングを盛んに行うようになりました。それは、チームの実践において、個々がボトルネックと感じていることをヒヤリングすることが目的だったはずです。マネージャーは、個々からボトルネックを抽出して、それを解消する方法を考え、スムーズに業務が捗るように努めています。ただ、抽出したボトルネックも、システムにおいて本当にネックなのかを精査する必要があります。個々の意見を尊重することと、ボトルネックは全く違うので、こちらも混同してはいけません。チーム内でコミュニケーションが活発になってきて、あるプレイヤーがネックを発した時、それと同じような意見が上がることがあります。全体的に同じような意見があるように見えますが、実はそれほど重要なネックではないということが多いのです。本当にネックになっていることは、多数意見より、違うところに潜んでいることがあります。マネージャーによるマネジメントとは、そのようなネックを見極めて、システムの意義と本質を捉えることだと考えています。

専門用語の標準化

バレーボールの専門用語を使ってコミュニケーションを取ることも、育成において重要な事項と捉えています。常に専門用語を使うことで、カテゴリーが上がり、プレー強度が増した場所でも意思疎通ができるわけです。
例えば、トーク中でも出てきた”トータル・ディフェンス”も昨今のバレーボールでは、トレンドであり専門用語となってきました。
相手のアタックに対して、ネット・ディフェンス(ブロック)によるコースの限定から、フロア・ディフェンス(ディグ)で相手のオフェンスを凌ぐことを示唆します。要するに、チーム内で連携して守ることと、それをシステム化した表現です。これだけを切り取ると、当たり前のように感じますが、つい数年前までは、このような概念すら国内には浸透していませんでした。
それは、バレーボールにおける世界のトレンドを分析せず、日本独自の戦術で戦おうという、お家芸の思考から脱却できない、そんな業界の体質だったからです。
私たちが関わっているプレイヤーたちは、バレーボールの明るい未来を担う、これから重要な世代なんです。だからこそ、目先のことだけでなく、プレイヤーの人生が豊かになるように、必要な言語はなるべく早いうちから当たり前にしておきたいところです。

パターン化による弊害について

各カテゴリーで勝つためだけのチームを強制的に作ることは可能だと思います。プレイヤーの人生として、そのために得るものと、失う(遅れる)ものがあるとすれば、勝つために特化したプレイヤーやチームは、失うものの方が多いと考えています。プレイヤーの成長は、必ずしも線形的ではありません。それぞれに成長の過程とタイミングがあります。私たちが勝ちたいという欲と、プレイヤーの成長は必ずしもマッチするものではありません。段階的にプレイヤーの成長を見守り、感じることができるのが、カテゴリーの垣根や隔たりを無くし、本当の意味でバレーボールがプレイヤーのものになり、良いサイクルが継続することだと考えています。

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