夢枕漠さんの書く陰陽師が大好きです。音が言葉として意味を持ち、意味は、受け手のイメージによって力にも縛りにもなります。そうした呪(しゅ)を使いこなす安倍清明と、まっすぐな性格から言葉を音の通りに受け止め言葉以上の意味を持たせない源博正。
安倍晴明が言います。「博正、お前はいい男だな。」
博正は、こう言われる度、馬鹿にしてるだろうと拗ねてみたり、恥ずかしがったりするのですが、二人が互いを信じお互いに無いものを認めあっている関係がいいなと思わせてくれます。
しかし、一番恐いのは怪などではなく人間、または時として、己自信なのかな...と。
#読書感想文