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0712/泣きっ面に、がぶ。
情けないお母さんでごめんねと泣きつく私の顔を、きゅっと抱き返しながら娘ががぶっと齧った。
「カフェに行って課題がしたい」という私のささやかな願いを叶えてもらう。2人を置いて、よっしゃやるぞ、今日は何か変わるはず、と勇足でひとりでカフェに。
そして2時間もあったのに結局何にも筆が進まなかった自分自身に絶望して帰ってきた。いよいよ私には何にも書けないんじゃないかと思ってしまう。諦めた方がいいんじゃないか、楽になれるんじゃないか。大枚はたいたのにいいのか、変わるんじゃなかったのか。(こういう雑記なら書けるのに)
自分が生み出そうとしている物語の尻尾ばかりを集めてみたが、どれも足まで辿り着けない。誰も彼も進んでいかない。途中で「こんな尻尾じゃないはずだ」なんて、思って切ってしまう。理想だけは高くて、つまらないものは、つまらなそうだということだけは、わかる。
自分自身が「つまらないものですが」と本当につまらないものしか出せなくて反吐が出る。反吐だけは出る。あと言い訳も沢山練り上げる。
自分の書いたものを「つまらない」と思い知るのがこわい。これを夫に見せるのもこわい。2時間あれば書けるっしょとプレッシャーをかける(いや、かけてくれる)夫を直視できない。
そして帰ってきて「かけた?」と聞かれて泣いた。泣くしかなかった、何にも書けてないよ。面目ない。
くるしくて、娘をぎゅっとする。
今日はお散歩でおめかししたので虹色の涼しげなワンピースを着ている。かわいい。私が泣いているのを不思議そうにみて、へっと笑って、ぎゅっと抱き返しながら、顔を近づけて私のかおをがぶりと齧る。心配してくれてるのかな、勇気づけてくれるのかな。とにかく、がぶっと、やさしく齧られてあごがびちょびちょになった頃には涙が止まった。天使である。
もう娘が育ってくれてるだけでそれだけでいいような気もするのに、とんだ欲張りだ。欲張りなくせに根性無くてやんなっちゃう。おんなじところの堂々めぐりの天才だなあと呆れる。
離乳食たべさせておっぱいあげて、一緒にお風呂に入って、今日はなんだかこてんっと寝てくれた。いつの間にか涙はすーっとどっかに行って、さっきの絶望の味がどっかに行ってしまいそうなのを「ちょっと待って」と追いかける。
今ここが底辺だとしたらきっとのぼるしかないのである。こんなの全然なことはわかってる。だけど、ここを底辺だとして踏ん張れるだろうか。尻尾を沢山踏み散らしながら、考える。
追記>>>
でも同時に、私、いまとてもしあわせの中にいる。このしあわせを、大切な命を、命懸けで守りたい。(東京沈没2020を一気みした夜)
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