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愛しのハッピーイヤー(副耳のこと)

むすめの耳には、ちょっとだけおまけが付いている。耳の形がヘ音記号だとすると「:」の部分が普通「っ」なところ「つ」くらい大きくなっている。「副耳」というらしい。1,000人に15人くらいの割合であるらしく、中国だとハッピーイヤー(福耳)といって、めでたがられるらしい(と、生まれた時に産院の先生が教えてくれた)。でも、ものごごろつく前に、取った方がいいかもね、と言われている。

1歳になる前に、と、言われていたが、コロナがコロナなので大きな総合病院はあまり行きたくないし先送りにしていた。
わたしからすると、その耳のおまけ部分も、たまらなく愛しくて可愛い。ちょっと妖精みたいで。娘は時々それをつまんでいる。個性としてありなんじゃないか、と思ってしまうけれど、それを自分で「個性」として主張して生きていくにはまだあまりにも幼すぎるだろうか。

実母に「いじられたらかわいそうだから」と言われて、いじる方が悪いじゃないか、いじめられないように、ってそんな理由でこの「可愛いおまけ」を、こんな小さな身体に全身麻酔までして取る必要があるのか、と、どこか悶々としていた。耳もよく聞こえているし、特に健康上の問題はない。ただただ、見た目的な事なのだ。


最近、児童館にちょこちょこいくようになった。
今日、ちょっと声の大きなママさんたちが「うちの子、耳の形が生まれた時変だったんだけどだんだん治ってきてよかったわ」みたいな事を話していて、なんだか、ドキっとしてしまった。うちの娘の事を見て話し始めたわけではないと思うけれど、もしそうだったら、すごく、嫌だ、と。

そのママさん達の方に、娘の耳をみせたくない、と思ってしまった。

「保育園に入る前に取らないと」
と言われていた理由がちょっとだけわかってしまって、わかってしまったことが嫌だった。「いじめられないために」という理由で、娘の身体にメスを入れるのは、嫌だ、嫌だと思っていた。でも本人が気にしてしまったら?「どうして私の耳はこんな形なの?」と悩み始めてから手を打つのと、心に傷がつく前に綺麗に手術をしてしまうのと、どっちがいいかなんで、明白だ。

ただただ、私のエゴかもしれない。
娘のことを思うと、保育園に入る前に手術しておいてあげるのがいいのかもしれない。おっきくなって「こんな風におまけが付いてたのよ」って話した時に「えー、これも可愛いね」って言えるくらいになるのがちょうどいいのかもしれない。だから、なかった事にはしないけれど、やっぱり病院に行かないと。行かないと。ひとり(ふたりきり)で行くのは心細い。

実は紹介状は書いてもらってあるのだ。
はじめての誕生日を迎える前に、どこかで、一度、行ってこようと思っている。

(写真は、すごい格好で寝るむすめ)

#日記 #コラム #エッセイ #ちあきろく #育児 #子育て #副耳

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