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ボードゲーム

丸型のテーブルに広げられたマス目のあるボード。椅子は5つ。
自分の親に、面白いもの見せてやると連れられてここにきた。
「またいつもの始めましょうか」
「お前は本当に好きだね」
「それぐらいしかやることがないんだよ」
すでに、4つの席には見知らぬものたちが座っていた。
中央には青く宝石のように輝く、サイコロのような立方体。
「ではスタートします!」
部屋の扉から一番遠い椅子に座るもの親が立方体の触れる。
それはさらに強い青い光を放ち、一番上の面に文字が現れる。初めて見る文字だ。
(未知のエネルギーが見つかる 10億)
「1億だから、10マスだな」
「いきなりすごいね、じゃ次」
反時計回りに次のものが立方体に触れる。
(星が寿命を迎え、爆発する 10万)
「おい、いきなりこんなことあるかよ」
「日頃の行いが悪いからかしらね」
何が行われているかまだはっきりとはわからなかったが、ここにいるものたちは娯楽としてこの行いをしているみたいだ。
また次のものが立方体に触れる。
(隕石ぶつかる 1万)
「全くふざけてる!」
この人がなぜ怒っているのか未ださっぱりわからなかった。
場の雰囲気も悪いようだが、空気を変える意味も込めて声をかけてみることにした。
「あの、これってどういうルール何ですか?」
僕の親が答える。
「これはな、星の信号で遊ぶボードゲームさ。真ん中の四角いのが受信機だ。
この星には絶えず、他の星からその星の状況の信号送られてきている。それをこの受信機で捉えるんだ。遠い星からキャッチできたらその分マスを進める。先にゴールしたものがその星を獲得できるんだ。」
「星を獲得ってどういうこと?」
「その星を自由にデザインできるんだ。自分の星に向かって信号を飛ばすとそのように変えることができるんだよ。まあ実際に行くことはできなから単なる娯楽だよ。さ、説明はこれくらいにして続きをやろうか。」
それから10周ほどしただろうか。僕の親の番になった。ゴールまであとひとマス。
(ある生物が急成長を遂げる。1000)
その空間が空気が急に張り詰めた。
「1000て1000光年だよな。すぐそこじゃないか。」
「あなたの勝ちで決まりです。その星はあなたのものですが、どうされるんですか」
「うん、もしかしたら我々の敵になるかもしれない。よしこの星に破壊の信号を送ろう。ただし発信元が特定されないように歪みを加える。」
「どうやって破壊させるんですか』
「直接攻撃すればバレるかもしれない。自滅の道を歩ませる。高度な生物の弱点だ」
それから、5人はそそくさと解散した。
あの星がその後どうなったかは僕にはわからない。
しかし、このゲームはこの星のあらゆるところで開催されているらしい。

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