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魅力的な求人情報の書き方について

 前回の記事から、またしても、だいぶ日が経ってしまいました。更新が滞っていた理由は、、、思い返してみても言い訳しか出てきません。。。人間とは(私は)、かくも弱い生き物なのです。。すみません。
 さて、連載中の人材定着に関する次の記事も準備しているのですが、その前に、本日は、求人情報の魅力的な書き方について、持論を述べてみたいと思います。と言いますのも、入社後の活躍と定着という観点も含めて、人材紹介エージェントの役割には、採用企業の正しい姿を候補者に伝えるという役目もあります。加えて、採用企業が本当に欲しいと思っている人材像を明確にしておくことで、ミスマッチを減らすことだと思っています。
そのためにも、人材紹介エージェントから、企業様への求人情報へのサポートは、必須なサービスであると考えているからです。
ちなみに、魅力的と表現したのは、決して盛っていきましょう!という意味ではなく、正しい会社の情報をキチンと候補者に伝えましょう。そうすれば、応募者数の増減は別にして、ミスマッチは必ず少なくなります。という意味です。

 企業様からもらった求人内容を、そのままに、ポイってスカウトに廻すのはヤメましょうと言いたいのです。(こういうことするから、人材エージェントが嫌われると、自戒を込めて思っています)

 ではさっそく、魅力的な求人情報の作り方をご紹介したいと思います。
あ、言い忘れました。これは全て中途採用の話です。当社は新卒採用には対応していないので、そこに言及できる情報は持っていません。

1.【作成前の準備】求人情報作成への心構え

最初に心構えって?と思われたに違いありませんが、でも、これがとても重要なのです。大手企業様の場合、何事にも余裕がありますから、ここで言う心構えを持っていただけているケースが多いのですが、採用に困っている中堅中小の企業様ですと、どうしても求人情報を練り込んで作っていく時間もないですし、採用担当者様も兼務だったりするので、なかなか心構えにまでに至っていないことが良くあります。(これは仕方ないと思います。悪くないです。)
で、心構えってなんだよ!?って話ですが、それは、ズバリ、

求人情報とは、人材市場で自社を【選んでもらう】ためのラブレター

と理解する心構えです。
間違っても、応募者を【選ぶ】ためのものではないということです。
むしろ広告とか広報アイテムと思っていただくと正しいかとは思います。
目に止めてもらう→興味を持ってもらう→関心を持って応募してもらう、というプロセスでの態度変容を促すための大切なラブレターなのです。

具体的な話をしますと、求人情報を作成する際に、無意識に、<必須条件>から頭に思い描いていませんか? もちろん、やってもらいたい仕事が出来るかどうかの判断材料として必須条件は大切です。絶対に書いておくべき内容であることは間違いありません。しかし、その前に、一人でも多くの方(条件に合致している人)から、自社に応募いただくことが重要なのですから、

・どうやったら、自社の求人情報に興味を持ってもらえるか?
・どうやったら、自社に求人情報に応募してもらえるか?

をまずは、考えた方が良いです。
とても当たり前の話なのですが、でも忘れてしまいがちなのでの、ここは注意をしておいて欲しいです。

求人情報を最も見て欲しい人(ターゲット)は、自社に既に興味がある人ではなくて、自社に興味はない&応募しようか決めていない人に向けての情報であると認識してもらえたら良いと思います。ついつい、選ぶ側の立場で、あれと、これが出来る人募集!みたいな内容になってしまいがちですが、その前に、選んでもらえるだけの情報を入れておかないと、という認識を持ってもらうのが、最初の心の準備です。

2.選んでもらうための【ベネフィットを考える

 心構えができましたら、実際に作成していきましょう。まずは、一番最初に目にとまるタイトルです。求人情報のタイトル表記で、よく見るのは、

・急成長ベンチャーで事業を牽引する営業スタッフ求む!



・当社サービスのサーバを支えるバックエンドエンジニアを募集!

といったようなタイトルが多いと思います。しかし、これだけですと、入社後のメリットが思い浮かばないのです。時間軸で考えますと、転職希望から入社までのメリットと言いますか、そこまでに必要な情報は記載されていますが、入社後のイメージが想起されないので、応募者に十分なベネフィットを提供できていないと考えます。
入社後のベネフィットは企業ごとに違いますので、ここは、あくまでもサンプルとして修正をしますと、 

  ✗・急成長ベンチャーで事業を牽引する営業スタッフ求む!
  ○・【営業マネージャー候補
将来の起業も視野に急成長ベンチャーで
     営業スタッフとして活躍しませんか?

  ✗・当社サービスのサーバを支えるバックエンドエンジニアを募集!
  ○・テクノロジードリブンな会社で、新しい技術にチャレンジして
    みませんか?バックエンドエンジニアを募集!


上記は、あくまでも例ですので、企業様ごとに異なりますが、ポイントは、求職者目線でのベネフィットを盛り込んでおくということです。この仕事に就くと、どんなスキルが身につき、どんな将来が実現できるのかをイメージさせてあげることが大切だと思っています。盛ったり、ウソがあってはいけませんが、既存の社員に還元しているベネフィットを、求人情報でもしっかし表現してあげることを心がけていただけると良いかと思います。

3.募集背景を書く

 これがよく忘れられがちなのですが、応募する候補者は、ほぼ全員が、募集背景を実は気にしていると思ってください。なぜかと言えば、私は人材エージェントとして多くの求職者様と面談をしていますが、ほぼ全ての人が、【募集背景】を聞いてきます。採用される側の立場として置き換えていただけますと、よく分かると思いますが、たとえば、以下のように

・欠員募集=(候補者の想像)前任者と比較されるな
・増員募集=(候補者の想像)社内での競争はある程度は予想しないとな
・新設部署=(候補者の想像)会社からのバックアップはあるのかな

など、募集理由によって、候補者側では、ある程度の入社後のイメージができることがあります。また、募集背景を記載しておくことは、候補者に入社後のイメージを持ってもらいやすくするだけではなく、会社の誠実さも伝えることができます。
なぜ今回採用をしているのか? を伝えることは、候補者に企業への信頼と安心感を与えることにつながるのです。多少の都市伝説もありますが、沢山採って、沢山クビ(あるいは会社にあわず早期退職)にする会社もあることは、候補者側も気がついていますので、【そうではない!】ということを、ポジション毎の募集背景をキチンと書くことで、安心感をもって伝えていくことができるのです。

4.自社の強みを書く

 当然ですが、給与や賞与以外にも、社内の雰囲気や教育制度、会社の将来へのビジョンといった部分も自社の強みになります。
わかりやすいところで言えば、「教育制度が充実している」「資格取得を支援している」など、スキルアップをサポートしているといった内容があります。また、時短勤務や産休育休の取得推奨、リモートワーク可能など多様な働き方ができる職場なども強みとして書いて良いです。
 この他にも、理念や社風、文化なども、強みとして書いて良いです。
理念や社風は、どうしても強みとは違うと真面目に考えてしまわれるケースもありますが、そうではなくて、その理念、この社風があるから、社員がイキイキと働ける環境があるのだ!と強く自信をもってもらい、堂々と強みとして書いていただければと思います。
これは逆説的な表現になりますが、既存の理念や社風が自社の強みと言えないとなりますと、【仏作って魂入れず】みたいなことになってしまいますので、社内の既存の社員向けにも、堂々と求人情報の強みの欄に、理念や社風について文章化してほしいと思います。

5.流行のキーワードを散りばめて

 言葉とは常に変化していくものです。求人ポジションについても、使う単語を変えるだけ、大きく印象が変わることがあります。
 また、言葉にも流行や変化があります。つまらない例えですが、昭和生まれのオジサンな私は、かつて、テレビなどで活躍している歌を歌う職業の方を【歌手】と読んでいました。今は時代が変わり、皆さんは【アーティスト】と呼びますよね。例が古すぎて伝わっているか自信なくなってきましたが、要するに、時代とともに、職業の呼び方も変わってきているということです。

今どきの言葉を使って、別の説明をすると、デジタル領域で、「UIデザイナー」という表現と「UXデザイナー」という単語がありますが、もちろん2つの単語の意味は異なりますので、用途に合わせて使ってもらうのが一番ですが、仮にどちらを使うか悩んだ場合、お薦めは、「UIデザイナー」です。
 これは、goolgeのキーワードプランナーというツールで調べることができるのですが、UIデザイナーとUXデザイナーという単語の検索回数および表示回数を調べてみますと、実に、「UIデザイナー」という単語は、UXデザイナーに比べて、約2.5倍の検索ボリュームをもっています。当然に、googleでの調査結果は、全てが求人に関する検索ではないので、単純な比較はできませんが、このデータから、どちらが一般的な単語かは一目瞭然だとは思います。

 冒頭に書いた通り、求人情報は、選んでもらための書面ですから、当然に、まずは見てもらわないといけません。ある程度、世の中で広く使われている、一般化している単語を使っておくことも必要なことだとは思います。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。採用の際に、最も重要なモノなのに、一番、軽く扱われている気がするのは、求人情報です。求人サイトは立派なのに、求人情報が残念・・・という会社様もお見受けすることがあります。もしかしたら!?と思ったら、ちょっとで良いので、手直しなどしてみてください。
応募数が増えると、その対応が大変ということもありますので、一概に応募数を増やすことだけが得策ではありませんが、求人情報を見直すことで確実に応募数は変化しますので、ぜひ、トライしてみてもらえたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
では、また次回!
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