見出し画像

君に鼻糞は多分永遠似合わない。(皮肉小説)

※これは完全なるフィクションである。
いや、もしかしたらこの世界の誰かの物語かも知れない可能性は拭えない。


あー今日も可愛い。綺麗だ。堪らん。彼女が放っているその存在感に、僕は今日も惹かれる。一つ言っておくなら彼女は芸能人では無い。周りの女性達とは圧倒的に違う存在感に、僕は優越感を覚えながら興奮する。彼女は上品と言う言葉をも超えていて、紫式部くらい綺麗だ。
元が良い容姿に加えて、美容にも熱心だ。肌のケア、全身脱毛など、エステにもよく通っている。彼女の毛穴を僕は見た事が無い。
なんて素敵な女性なんだ。
これぞ日本の大和撫子だ。

彼女はスマホを見ている。僕に気付かない。僕は彼女がいる所に向かう。綺麗だ。可愛い。堪らん。

彼女は僕に気付く。緩やかに細くなる目。彼女は僕に笑顔を向ける。僕も彼女に笑顔を向ける。
彼女に挨拶をしようとした時に気付いた。
綺麗な目、白い肌、ベージュ色で統一された彼女にしか似合わないのでは無いかと思われる服装、整えられ緩やかにうねりが掛けられている毛先。
それらに似合わない異物がそこにはある。

彼女の右鼻から鼻糞が出ている。
僕は絶望を超えて失望した。
君に鼻糞は多分永遠に似合わない。
鼻糞エステにはまだ通っていないようだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?