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【2020年の漢字一字】2020、私の働き方改革。

 新年あけましておめでとうございます。みなさま、この年末年始いかがおすごしでございましたでしょうか?我が家はYouTubeチャンネルのライブ配信しながら、蕎麦を食べながら年を越しました。

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 さて、私の新年といえば「昨年の振り返りを漢字一字で振り返りながら新年の抱負を語る」という文章を毎年書いて、今年で11年となりました。ちなみに、前回2019年の漢字は「捨」、その前は「謝」…。そう、基本的にネガティブな漢字が続いていたのですね…。2020年は、一転して、本当に楽しい一年でした。会社を辞めて、結婚して、移住して、開業し、本当にいろいろあったけど、その全てが最高にハッピーでした。それは、どうしてかな?と振り返った時、2020年の漢字がスッと決まりました!

「縁」

ありきたりかもしれないけど、もう、これ一択しかなかった。今年は。

 様々な巡り合わせとご縁で、今長野県塩尻市に移住し、多くの友達や仲間と日々遊んだり仕事したりしている。社会人ピヨピヨの頃からのご縁で、フリーになってもお仕事をいただけている。人が人呼び、たくさんの初めましてがあった。無数の縁が縁をつないで、今の自分のハッピーな毎日ができあがっている、そんなふうに思います。本当に感謝。

移住をするまでのご縁と経緯は8月にnoteに書いた↑ので、今回は9月以降の話。フリーランスとして仕事が本格化していく中でモヤモヤ考えてきた”仕事”のことをまとめたいと思います。やりたいことがみつからなくて自信がもてなかった私が、フリーとして自信をつけていくまでの思考経路をダダ漏れします。

■「やりたいことを仕事にする」をやめた。

「やりたい事を仕事にしよう!」「あなたのやりたいことは?」「熱中できることは?」「ミッションは?」「パーパスは?」

 この手の質問が、実は前からかなり苦しかったんです。自己分析みたいなことをしてみても、なんかしっくりこない。つまるところ、「やりたいこと…いや…とくにないな…」といつもなってしまう。フリーになったらなにか見つかるだろうか、移住したらなにか見つかるだろうか?そんなことを考えたこともあったけど、断言してもいい、移住しても独立しても、やりたいことなどみつからない!そもそも「やりたいこと」って本来自分の原体験や記憶の中にあるものだから、新しく環境を変えたところで突然ぽっと見つかることは稀なんですよね。で…厄介なのがこの「自分の原体験や記憶」って部分。みんながみんな、やりたいことにつながるようなスペシャルな原体験なを持っているわけではないから、やっぱりここで詰まっちゃう。でも、「やりたいこと仕事にしよう論者」は「いや、そんな特別な経験じゃなくてもいいんだよ。子供の頃好きだったものこととかさ、印象に残っていることとかさ。」というんです。それで、ああそうか些細なことでもいいのか〜と考えていくと、なんとなく「やりたいこと」のキーワードみたいなものが出てくる。あっ!なんかこれが私の「やりたいこと」かも!と、一瞬ひかりが見えるんだけど、ふと冷静になると、え?だからそれがなんで仕事になるの?という感じになってフリダシニモドル。

「やりたいこと仕事にしよう論者」と、あえて嫌味っぽく言ったのは、彼ら彼女らが、もっとも重要な事をすっとばしたおかげで、本当に悪気なく「やりたいことがみつからない人」を苦しめてしまうから。私もそこに気がつかず、ずっと苦しかったし、周りと比べて自分を蔑んでいたように思います。大事なことは、ごく当たり前すぎて誰も言ってくれないのだけど。

「やりたいことを仕事にしなくてもいい」

というわりとシンプルな話。

 だいぶ古い本だけど、「13歳のハローワーク」という村上龍の本がありまして、独立して「やりたいことかぁ」とモヤモヤしていたとき、ふとこの本のことを思い出すことがありました。この本は、辞典のようになっていて、自分の好きなことのページを開くとその”好き”を活かした職業がたくさん記載されているというもので、どんな好きも仕事になるよと教えてくれる本でした。例えば「ゲームが好き」「エッチなことが好き」「喧嘩が好き」といった目先の変わった「好き」もきちんと仕事につなげています。この本自体は「好きなこと仕事に」派なのですが、一旦私も仕事とか抜きで自分の好きはなんだろうと紙に書き出してみたんです。

「テレビゲーム」「ディズニー」「ベリーダンス」「水餃子」…

 挙げればキリがないほどたくさん出てきました。特にテレビゲームは子供の頃から、寝食忘れるほど好きだし、今でもできればずっとゲームしていたい。あった!私にも「やりたいこと」!じゃぁ、ゲーム関連の仕事?ディズニーのキャスト?プロのダンサー?いやいや、私のやりたいことは全て絶対に仕事にしたくないものだ!そうか、そもそも私は「やりたいことを仕事にしたくない派」だったんだ!!

と、こうして私は「やりたいことを仕事にしない」という選択をすることで長年の胸のつかえがすっかりとれて、さらには「一生遊んで暮らしたい」という「やりたいこと」まで見つけたのです。(ちなみに、ここでいう「遊んで」は、「遊ぶように仕事しよう」とか意識高いやつじゃなくて、本当にただ「遊ぶ」だけ)

ほんと、「一生遊んで暮らしたい」。

↓最も怠惰にNintendo Switchを遊ぶために昨年私が編み出したプレイスタイル。通称”アルティメットフォーム”。(我ながらこれは酷い。)

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■好きな仕事は自分の中には存在しない。

 さて、やりたいことを仕事にすることをやめた、フリーランスの私。

 いやいや、ちょっと待ちなさいよ、「やりたいことを仕事にしない」ってあなた、会社辞めちゃったんでしょ?どーすんのよ?

と、世界中のまともな大人に怒られそうですが、会社を辞めて丸一年なんとかちゃんとお金をいただいて仕事をしています。しかも、割と好きな仕事ができていて、楽しいです。独立するにあたり、特にやりたいこともなかったので、仕事にこだわりもなく自分の業種なども特に考えていなかったのですが、一つだけ決めていたことがあります。それは「営業しない」ということでした。前職が営業職で営業というものに辟易していたというのも理由の一つですが…そもそも”仕事”って、こちらから頭下げて「やらせてください!」っていうものではないのでは?と私は考えています。相手が私の”なにか”を必要としていれば、お願いなんかしなくてもお金を払ってくれて、それが”仕事”になる。相手が何も必要としていないなら、私は”なにか”を提供する理由は私にもないので、そこに”仕事”はない。もちろん、一生懸命営業すれば仕事をくれる人もいるかもしれない。だけど、相手がそもそも必要としていないところに無理にねじ込んだ”仕事”は、自分自身も相手も苦しめて、なんだかとてもアンハッピーです。ちなみに、ここで言っている”仕事”はあくまでもお金の収受が発生するものの話をしています。

 つまり、仕事の起点は必ず対価を支払ってくれる相手側に存在していて、自分自身の中には存在していないということなのだと私は考えています。これが「やりたいこと」との大きな違いでもあって、自分自身をどんなに深掘りして分析したところで「自分に合う仕事」や「好きな仕事」絶対に見つからないし、仮にそれらしきものがみつかったとしても、とても独りよがりで、結果としてそれは”仕事”にはならないのではないかと思います。

 同時に「他人は思ったより、私のことを見ていてくれている」と感じています。本当に、これもご縁の賜物なのですが、退職をお伝えしてすぐに私に仕事をくれた方がいます。前々職からお世話になっていた方で、間接的に社会人4〜5年目くらいの私の仕事を見ていてくれた方でした。ありがたく、その仕事をお受けして今も継続的に仕事をしています。特に自分から「私はこういうことが得意だからこれをやらせてほしい!」などとは言ったことはないですが、約一年が立ち、今いただいている仕事は私の”得意な仕事”だし、”好きな仕事”だと感じています。私の会社員時代の仕事や言動などを見ていてくださり、これを湯浅にお願いしたい、と思ってくださり、”仕事”になっています。自分の強みは、他人の方がよほど的確に見ることができる。だからこそ、「私の仕事は〇〇です!」などと決めつけずに、人からお願いされたことは一生懸命やってみる。そこに自分の”仕事”があるのではないかと思います。

 ちなみに、私は”資料作り”が好きな仕事だと気がつきました。社会人になってから、仕事で企画書や提案書を作る機会が多く、ごちゃごちゃした情報がパワポで綺麗にまとまった時、とても達成感を感じる。加えて、フリーになってからありがたいことにいただいた仕事の多くがこの”資料作り”で、クライアントさんからも「ありがとう」「助かった」と言っていただけることが多いことに気がつきました。


自分以外の3人から褒められたことは、その人の「仕事」にできること

らしいです。今年はこの『企画書代行』という仕事でお小遣いを稼ごうとおもいますので、お仕事お待ちしています!(”営業”はしないけど”宣伝”はするw)

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■「”想い”がない」ということは、最強

 「やりたいこと」というのと似たような単語で、「実現したい想い」という言葉あります。これも以前の私を大いに苦しませた単語なのですが、例えば、「世界の貧困を無くしたい」とか「地域に移住者を増やしたい」とか、なんでも良いのですが世の中を良くするための何か熱い”想い”を指すことが多い気がします。しかしこれも、みんながみんな何かに熱い想いを持てるわけではないと思うのです。私のように「やりたいこと」=「一生遊んで暮らしたい」という、自分勝手な輩だってたくさんいます。でも、「”想い”がない」ってそんなに悪いことでしょうか?仮に世界中の全ての人がそれぞれに熱い”想い”をぶつけ合ったら?会社のプロジェクトチーム全員がそれぞれの強い”想い”で突き進んだら?”想い”を持つ人の存在はとても大切だけど、それと同じくらい、フラットに”想い”に耳を傾けて共感できる人の存在は重要だと思うのです。

 幸い私には”想い”がありません。だからこそ、沢山のいろいろな”想い”に心から共感ができるし、その”想い”が実現できるように自分にできることがあるのであれば、それを仕事にしたいと思っています。しかも、縁あって今私の周りには素敵な”想い”をもった人たちがたくさんいます!そんなみんなが大好きで、共感できるからこそ、より仕事もやりがい が持てているのだと思っています。

■最強のチームよりも最愛のチームへ

 こんなふうに仕事への考え方が変わったのは、スナバとの”縁”のおかげです。スナバは塩尻市にあるシビックイノベーション拠点、平たくいうとコワーキングのような…それだけに留まらない強いコミュニティのような…気になる方は是非一度お越しください。

 私は7月からここでレジデンススタッフとして、週に一回在中しています。自ら社会課題に向き合い事業をお越している人たちに囲まれ、刺激を受ける一方で何もない自分が情けなくなるときもありました。レジデンススタッフとか言っているけど、何もスナバに提供できていないし、こんなんではみんなからも疎ましく思われるのではないか?そんな時、スナバのスタッフの一人に言われたことが、今まで書いてきたような”仕事”に関する考え方の原点となりました。

「あきちゃんは、そこにいてくれるだけでいいんだよ。」

 最初は慰めてくれているとしか感じませんでしたが、今になってみると、この言葉がこれからの時代の”チーム”や”仕事”をハッピーにするためにとても重要だとわかります。

 人は誰一人同じ人はいないし、みんな得意なことや苦手なことがそれぞれにある。人間関係だって、私にとっての大好きな人が別の人にとっては苦手な人だったりすることも(もちろんその逆も)あるし、自分にとって絶望的な状況も、別の人にとっては大したことのないことだったりする。チームで仕事をするメリットは、それぞれの力が合わさってプラスになることじゃない。それぞれのマイナスをそれぞれのプラスで補填できて、皆が無理なく続けられることなのだと思います。その方がサスティナブルだね。

 例えば、最近関わり始めた大門マルシェはそんなサスティナブルなチームになっていると思います。主催の草野エリ(エリー)さんは、関わるスタッフに「やりたくない事や負担になることはやらんでいいよ、得意なことややって楽しいことだけで手伝ってくれればいいから」といつも言っています。エリーは街の人とコミュニケーションをとり出店者を集めてくることなどがとても得意でこれは彼女の才能だと私は思います。だけど、SNSをマメに投稿するのは苦手なので、別のSNSの投稿が得意な子に任せています。知らない人との話すことがとても苦手な私は、エリーのように接客したり、出店の声かけはできないけど、資料を作成したりスケジュールを整理したりすることは好きだから事務方としてお手伝いできています。こうして大門マルシェは、みんなにとって無理のないイベントとして徐々に形ができていき、スタッフメンバーは最愛のチームになりつつあるのです。

 会社にいた時も”チーム”というものはあったけど、それはプラスを集めていくタイプのチームだったように思います。私はこれができる!と、みんなが持ち札を打ち合って、一つのプロジェクトを完結させていく。いわば最強のチーム。パワーはあるけど、人のマイナスや弱さをかまっていくことはできない。誰かが息切れしていてもそれを助けてあげることはできないし、「あいつは弱かった。」と吐いて捨てていくことしかできない。「どんな仕事にも辛い時はある」と当たり前のようにいうけど、その辛い時を乗り越えられない人を置き去りにするのは、良いチームとは私には思えないです。苦手なことはやらなくていい。私の苦手は必ず誰かの得意だから、得意な人がやってくれればよいのです。そうすれば「どんな仕事にも辛い時はない」状況が作れるはずです。

 スナバ・大門が、そんな最愛のチームのあり方を教えてくれました。

 大門マルシェに関わり始めて、本業の方にも少し変化がありました。クライアントに対し、それまでは「なんでもやります、できます、がんばります!」のスタンスだったところを、できないことや条件をはっきりと明言できるようになりました。それはできません、時間がかかります、ここまでならできます、そうした条件をはっきりと示すことで先方も仕事が出しやすくなり、ありがたいことに新しい仕事も追加でいただけるようになりました。自分自身の負担もずいぶん小さくなり、今では仕事にストレスを感じることもほぼなくなりました。

大事なことは”できること”じゃなくて”できないこと”、本当。

■楽しいことは全力で

 私はどこか人に壁をつくりがちで、妙に格好つけちゃったりしてしまうところが昔からありました。だから、”できないこと”や”弱さ”を表に出すのが苦手だったりもして、もっと自分らしさみたいなものをカッコ悪くてもだしていきたいと考えた一年でもありました。noteで偏愛や商業施設について語ってみたり、建物と建物の間の隙間の写真を集めたインスタを公開したり、水餃子のイベントをしたり、自分の”好き”を前面に出してみることを結構積極的にやってきました。そしてその真骨頂が、11月に開設したYOUTUBEチャンネル、半径500メートルから日本中を旅する超絶ローカルバラエティ”ゆあさけチャンネル”です。ただ近所の友達を呼んで美味しいものを食べたり、遊んだりしている姿を編集もせずに全世界に配信している、かなり前衛的な番組(だと自分では思っている)です。

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 ここではもう本当にただただ、自分が楽しいと思うことだけを全力でやっています。誰かに観てもらうことや、情報性などは全く気にせず…ただただ私たち夫婦が楽しいことを最大ミッションに毎週お送りしています。それでも、毎回多彩なご近所さんが遊びに来てくれて、みんなも楽しんで帰ってくれる。「ゆあさけチャンネルたのしかった〜。また呼んで〜。」と言ってもらえると、とても嬉しいです。なんか自分たちが全力で楽しんでいると、周りの人も楽しんでくれるんだなって心から感じます。

 こんなチャンネルができるのも、塩尻のご近所さん等との”縁”のおかげ。本当に本当に感謝です。そして…チャンネル登録よろしくお願いしますw

■今年の目標

 さて、このnoteもかなり長くなってきました…。多くの人との”縁”に支えられ、自分自身ともよく向き合い、進むべき方向性や考え方の基本がまとまった2020年、本当にありがとうございました。

そして、2021年!今年の目標は…

「”縁”をひろげよう!」

です。

 仕事の幅も広げていきたいし、遊びの幅も広げていきたい。そのためにも、もっとコミュニケーションを積極的にとっていきたいし、いろいろなことに首突っ込んでいきたい!そういうアクティブさのある一年にしていきたいと思います!

 本年も”面白ろ可笑しく美しく、日々懇切丁寧”に生きて参りたいとおもいますので、夫婦共々引き続きみなさまどうぞよろしくお願いします。

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2021年新春 湯浅亜木



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