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とてつもなく好きな歌声

とてつもなく好きな歌声がある。


ある人は、私の中の太い管を振動させ、
ある人は、かつての切ない気持ちを思い出させてくれ、
ある人は、魂を一瞬抜いてくれる(感覚がある)。


共通するのは「違うどこかに連れて行ってくれる」ことだ。
例えば、混雑した電車の中から、一瞬で別世界に飛ばしてくれる。


旋律ももちろんあるが、私はすごく「言葉」に反応するようで、だから日本語の歌詞の歌を聴くことが多い。


言葉の持つイメージや、言葉の醸すニュアンス、言葉の放つエネルギーを感じているのだろう。



この頃、ハマっているのがUruだ。

イヤホンをして目を瞑って聴くと、たまらない。


彼女の歌声からは、幼い頃、田舎の夕暮れどきに感じていた、寂しさ、人恋しさ、でもうまく言葉にできなくて、一人佇んでいる、そんな情景が浮かぶのだ。


東京に出てきて、大人になって、うまく立ち回っているのだけど、私の中の核にある、ずっと持ち続けている原始的な切なさを、Uruの歌声は浮かび上がらせる。


聴きながら街を歩いていると、見える世界はいつもと同じなのに、異次元を歩いている感覚にもなったりするので、ちょっと危険。安心・安全な場所で、一人静かになれるところで聴くのが、私にとってはいいのかもしれない。



昔からずっと好きなのは、やっぱり中島みゆきだ。

あんなドラマチックな歌詞は他の追随を許さないし、その歌声を聴くと…私の深いところまでドワッと震えるのを感じるのだ。


ロケで疲れ果て、魂を飛ばしたいときは最適で(笑)帰りの電車の中、意識を飛ばして(つまり寝落ちして)起きたときに「世情」が流れてきたことがあった。半分寝ぼけた頭は、おそらく大脳停止状態で、だからこそその曲と歌声が持つエネルギーは私の内側に一気に入り込み、グワッとエネルギーが上がってくるのを感じた。


カラオケに行くことは少なくなったが、歌うのはたいてい中島みゆきで。歌うと、自分の中で淀んでいる要らないものが吐き出される気がするのだ。

私にとって最強のメンテナンス歌声かもしれない。


思えば、昔から私は声フェチだった。声が気に入って、付き合った男の子もいたくらい。


映像の仕事をしているし、視覚優位なのは間違いないのだが、聴覚にも何か可能性を感じているのかもしれないな。


とはいえ、多くの人が沼って、辞める人も続出している「Clubhouse」にはいまだに入れていないのだけれど。(あの情報の渦にはどうにも入れないみたい)


かなり余談だが、取材先に電話するとき、電話だけでファンになってくれる人がたまにいる。私の声は「ゆらぎの声」らしい。いつか声の表現もしてみたいかも?そんなことをふと思った。



でもいまは、とてつもなく好きな歌声に癒やされ、エネルギーをもらいながら、日々を彩り、過ごしていく。


すぐに別世界へ連れ出してくれる歌声の存在は貴重だ。生きていると、まぁ色々あるからね。


あなたの「とてつもなく好きな歌声」は誰のだろうか。

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