見出し画像

絶対的な信頼感

興味深い人物がいる。

28歳の頃から、10数年お願いしている美容師・Iさんだ。


とにかくカットがうまくて、
私の髪型を見た人が
「紹介してほしい」と言ってくるような人。

美容師ミシュランでも星をとっているらしい。
(その辺りはあまり興味がない 笑)


私はショートヘアで、
でもマメではなく、
髪も洗いっぱなし、
美容院に行くのも2ヶ月開いてしまうこともざら。

それでもみすぼらしくならず、
いい形をキープできるのは、
私の髪の手強いクセを活かした
カットをしてくれるIさんのおかげでしかない。


Iさんの見た目は、一言でいうと
イケイケな感じのおじさん。
ギラギラ感満載。
でも不思議と怖さを感じさせない。

カッコよくあろうとする
オヤジのプライドを持って
見た目を磨きつつ、

周りの人をよく観ていて
よく笑わせ、よく笑い、
いつだってご機嫌で明るい。


その柔と剛のバランスといったら
この人の右に出る人は
なかなかいないんじゃないか。


私のアイデアメモ帳には
Iさん語録がある。

1ヶ月に1回訪れると、
必ず名言が飛び出し、
何かしらの気づきやアイデアをもらうからだ。

それは生き方だったり、
事業者としての姿勢だったり、
後輩を育てる上司の目線だったり、
オヤジがいかにカッコよくあるための心構えだったり 笑


でも誰にでもこういう話をするのではない
ということが最近、判明した。

同じく通う友人には
いつも「この映画、面白いよ」と
映画の話ばかり、らしい。


きっとそこに、巡り合わせがあるのだ。


私はIさんに出逢うまでは
毎回美容師さんを変えていた。
誰がやっても、そこそこやってくれるし、
それでいいと思っていた。

でもIさんと出逢って、
彼以外のところに行こうと
全く思わなくなった。

出産して、
母乳育児で息子と離れ難かった時も
近所でサクッと済ますことはせず、
夫に息子を預けて、
電車でIさんのところに行った。


カット料金が2回上がったが、
それは辞める理由には全くならなかった。


それはもう、
絶対的な信頼感から来るのだろう。


「このことはこの人に任せておけば間違いない」


Iさんは私を含む、お得意さんに
そう思わせることができているのだ。


Iさんがこっそり話してくれたことがある。


「俺も自信がないことはもちろんある。

でも、パフォーマンスでもいいから
自信があるように振る舞う。

もし俺が自信なさそうだったら、
俺を選んで来てくれたお客さんは
イヤでしょ?」


そして、自信を持てるようなるまで
ひたすら研究する(努力する)のだという。


Iさんはこれまでずっと
そうやって日々を積み重ねてきたのだろう。



「それがプロの仕事だ」というのは簡単だ。

でも実際に体現できている人は
きっとそんなに多くはないのではないだろうか。

私自身(映像のプロ)もそうだ。


本物のプロフェッショナルとは、
その道の技術だけでなく、
生き方そのものが
人々を惹きつけ、
気づきを与えてくれる。


あなたの近くには
どんなプロフェッショナルがいるだろうか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?