【詩】昼休み
いっせいに仕事の手を止め
連れ立って歩く大人たち
チャイムが鳴って机を合わせるこどもたち
いただきますと一緒に食べる昼休み
あまった時間をどう使おう
限られてるから貴重だった昼休み
そんな昼休みが
今のわたしにはない
わたしの遅れた昼休み
列にも並ぶこともない
座りたい席を選べる
今日もいつもの席に座る
おくれて厨房から
女将さんのいらっしゃいませ
白い前掛けで手を拭きながら
お水をコップに注いでくれる
女将さんは口をもごもごさせながら
わたしの注文を待っている
いなり寿司のれんこんがねと
手で口を隠しながら笑っている
女将さんも少し遅れた昼休み
わたしと同じ昼休み
わたしのさびしさは軽くなった
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