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国際金融センターとは?|東京は世界第3位(アジア第1位)

昨日、ふと目に入ったこのニュース。

以前ご紹介した橘玲著『マネーロンダリング』の舞台が香港であるため、金融都市としての香港を話題にしました(ほんの軽くですが……)。

その香港に関連するニュース。
というわけで、以前の記事のフォローの意味も込めて、今回も時事ネタです。

1.2020年3月の世界金融センター指数で東京は世界第3位(アジア第1位)にランクイン

2020年3月27日、英金融コンサルティング会社が公表している世界金融センター指数において、東京は世界第3位(アジア第1位)にランクインしたと発表されました。
※画像はリンク先の別紙を引用

世界ランキング

世界第3位(アジア第1位)の座は長らく香港(シンガポールだった時期もあり)が守っていました。
その香港が6位に転落したのは、政府への抗議活動の影響と見られています。
(それが冒頭のニュース「SBI、香港撤退を検討」につながります)

スコアとしては2位~6位は僅差なので、今月新たに発表される最新順位がどうなるかはわかりません。
とはいえ、シンガポールと上海をも抜いて東京が3位というのは実に快挙です!

※世界金融センター指数とは、金融センターの国際的競争力を示す指標で、「ビジネス環境」「人的資源」「インフラ」「国際金融市場としての成熟度」「都市イメージ」の5項目を基準に、100以上の都市・地域を対象とし1000点満点で点数化したもの。2007年より毎年2回(3月及び9月)に公表。

2.国際金融センターとは国際的に中心的な役割を担う都市・地域のこと

ここで改めて国際金融センターの意味を確認しましょう。
金融情報サイト「iFinance」より引用します。
※引用元:iFinance

国際金融センターは、銀行や証券会社、保険会社、運用会社などの世界の金融業において、国際的に中心的な役割を担う都市・地域のことをいいます。これは、外国為替市場を中核として、有力な証券市場やバランス良く発展した短期金融市場などを持つ、国内外の金融機関や投資家などが活発に取引する総合金融市場であり、主な機能としては、外貨調達や貿易金融、長期資金調達、資金運用、ファンドマネジメントなどが挙げられます。

アジア1位になったことで、東京が香港に代わる金融センターとなりえる可能性を示したとも読み取れますが、実際はどうなのでしょうか?

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3.日本の課題は「金融に低関心」「英語力の低さ」「税金」

GDP世界第3位の日本にポテンシャルがあることは疑いありません。

ですが、主要産業が金融業の香港(シンガポール)に対し、日本は製造業。
国民の金融への関心も香港(シンガポール)より希薄と思われます。

また、英語力にも課題があるでしょう。
人口規模が大きい国は母国語だけでも経済産業的に成り立ってしまう点が、ここではデメリットとして挙がります。
【人口】日本:1.3億、香港:745万、シンガポール:564万(2018年)

そして最大理由として考えられるのは「税金」です。
タックスヘイブンを取り上げた時にも書きましたが、税制の優位性が香港の大きな強み。
シンガポールも同様に税金を安く抑えられる国です。
なにかと課税される日本と比べると、手元に残る金額に差が出るのは明らか。

これらを踏まえ、日本がアジアの国際金融ハブになる日はまだ先と予想します。

少しでも有利な国を選ぶということを当たり前にやっている人たちがいる。特別な大富豪でなくても、できることはあります。
まずは知るところからということで、これからも情報提供を続けていきますので、少しずつステップアップにつながれば幸いです。

4.まとめ

以上、
・2020年3月の世界金融センター指数によると東京は世界第3位(アジア第1位)
・国際金融センターとは国際的に中心的な役割を担う都市・地域のこと
・香港(シンガポール)の優位性により、日本がアジアの金融ハブになるのはまだ先かも

という話でした。

ちなみに冒頭のニュースには「関西」の金融都市構想推進とあり、「東京」ではありません。
ビフォーコロナでは当たり前のように東京一極集中でしたが、これからは地方分散が進むのかもしれません(本件に関しては、他にも様々な理由があるのでしょうけども)。

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