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子ザルでござる。

子ザルは無類の紅茶好きだ。一日にマグカップで5~6杯は紅茶を飲んでいるのではないかと思う。紅茶の種類にもこだわりがあるようで、一番好きなのは「アールグレイ」らしい。いつも、大ぶりな紅茶用のポットにティーバックを2つとお湯をなみなみと入れて、マグカップにたっぷり注いで飲んでいる。紅茶の年間消費量はもはやイギリス人の域に達しているのではないだろうか。ある時、子ザルから紅茶を勧められたので、謹んで頂くことにした。子ザルはポットに紅茶を満杯に入れ、こぼさないようにヨタヨタとやって来て、紅茶をカップに注いでくれた。そしておもむろに「おかわりはしてもいいよ。でもね、ポットの紅茶がなくなってもこのティーバックはまだ使えるから、このままお湯を継ぎ足して飲んでね。」と言った。子ザルなりの節約なのだろうか。なんだか、胸が切なくなった…。

子ザルはよくひどい便秘に悩まされている。ヨーグルトや乳酸菌飲料などの腸活はもとより、便秘に効くツボや体操などいろいろやっているが、改善がみられない。子ザルが便秘でトイレに入ると1時間は出てこない。ひどい時は1時間半くらい。夏場は汗をびっしょりとかいてトイレから出てくる。トイレには窓がないため、熱中症になるのではないかという懸念もあるが、良い対策も思い浮かばないので、定期的に「おーい」と扉越しに大きな声をかけるなど安否確認している。これで余計に便秘が解消しないのかもしれない…。

子ザルが小さかった頃の話。当時、日本地図のパズルが家にあった。各都道府県のピースを組み合わせてはめたら日本地図が完成するといったものだった。子ザルはこのパズルを見よう見まねでやっていた。ある時、東京都のピースが見あたらなくなった。東京都のピースは他の県のピースと比較して小さかった。そもそも、そのパズル自体も大きくはないので、東京都のピースは無くなりそうなピースとしては上位と言って良いサイズであった。しばらく一緒に探していたら、子ザルが急に口から何かを出した。「東京都」であった。そして、子ザルは口から出した「東京都」をしげしげと見つめながら「ベビースターラーメンじゃなかった。」と言った。きっと、探している最中に絨毯の上に落ちていた「東京都」とベビースターラーメンの欠けらとを勘違いしたのだろう。確かに色は同じオレンジ色だしね…。先日、突然そのエピソードを思い出して子ザルに話したら、「小さかったんじゃから仕方ないわぁね(方言)」とつれなかった。


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