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人を呪わば。

許せない発言というものがある。相手の気持ちを知ってか知らずか、面と向かって信じられないようなことを言ってくる輩がいる。その輩は、自分の立場が上だから、自分は頭が良いと本気で信じているから、何を言っても許されると思っている。今までもきっと何人もの人が、その輩の心無い発言に傷つけられ感情を乱されてきたことだろう。

なぜ、この人には天罰?因果応報?といった、かつて「日本昔話」で嫌というほど叩き込まれた教訓が、適用されないのだろうか。もしかして、その輩の方が正しいのだろうか…。

仕方ないので、呪いをかけるしかないと思った。「人を呪わば穴二つ」という言葉がよぎったが、その輩が2度と人を侮辱したり傷つけたり出来ないように思い知らせてやるような呪いをかけるしかないと。

準備は出来た。あとはやるだけ。きっと、本人は訳も分からずに不幸になっていくだろう。

時が過ぎた。

その輩は不幸になるどころか、条件の良い再就職先に内定をもらってホクホクし、ますます自分の頭の良さを誇示していた。そして、今日も誰かをこき下ろしていた。

結局、呪った自分が苦しくなっただけなのか…。「人を呪わば穴二つ」。いや、「穴一つ」だ。

世の中、そんなものか…。悔しくなり、腹の底から怒りとも諦めともいえない感情が込み上げて来た。こんな人間がのさばる世界なんて、腐っていると思った。

でも、負けない。

そんな人間に負けたくない。






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