見出し画像

悩める子ザル。

子ザルは気にしている。突然、「私の顔面偏差値はいくつと思う?」と聞いてきた。どうやらお年頃らしい。あまり高過ぎる数字を言うと、逆に気を遣っているのかと疑われるので、「58くらいじゃないかな?」と控えめな回答をしてみたが、子ザルが大いに喜んでいる様子を見て、本気で自分の容姿が気になっているのだなと焦ってしまった。ついには、自分で自分の鼻をしばらくつまみ、「どう?少しは鼻が高くなったかな?」などと聞いてきた。そんなので鼻が高くなるわけないので、「私の子ならきっと偏差値72くらいまでにはなるよ。」と言ってみる。東大レベルだ。これで子ザルも安心できるに違いない。

子ザルがウーッと呻いている。先ほど修学旅行から帰ってきた。「楽しかった?」と聞くと、「時間を戻して欲しい」と言い出した。どうやら、修学旅行ロスになってしまったらしい。さぞかし同級生たちと盛り上がったのだろうと思っていたら、「また添乗員さんに会いたい」と言うのだ。もしや恋か?と思ったが、「そういうんじゃない。憧れ。」とのたまった。子ザルさん、それが恋というものじゃないのかね?

子ザルがしんみりしている。先ほどまで子ザルは「アナと雪の女王2」を観ていた。そして、おもむろに「エルサと私は似ている」と言い出した。え?金髪?氷の女王?魔法?どこが?何が?と思って訊くと、「この気持ちは他の人には分からないと思う」と、厳かに、きっぱりと言われた。……。ハハーッ!氷の女王様!下々の民には分からぬ苦労をされておられるのですね。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?