心の支えになっている体験 ~ 30歳になった地方演劇人の演劇に対する心境4
動員人数が何人とか、そういった数値目標もいいのだが、
僕にはそれと別にもうひとつ目標がある。
だがその話の前に、僕の心の支えになっている体験を書いておきたい。
2014年に、札幌国際芸術祭というイベントが開催された。
地域で開催される国際芸術祭は既にいくつか前例があり、札幌もそれにならって始めたのだと思う。
その演目に、コンテンポラリーダンスの演目があった。
シディ・ラルビ・シェルカウイ + ダミアン・ジャレ「BABEL(words)」だ。
おそらく観客のほとんどが「この人たちが何者なのかよくわからんが、札幌国際芸術祭のプログラムだし行ってみるか」という感じで観に行ったんじゃないかと思う。2,300席のニトリ文化ホール(現在は閉館)にそこそこの人数が集まっていた。(1,800名くらいだろうか。過去の記憶なのでもっと多かったり少なかったりするかもしれない。)
確か上演時間は75分くらい。
エンタメ色よりかはアート色が強い作品だったと思う。
素晴らしい作品だった。
「この人たちが何者なのかよくわからんが、札幌国際芸術祭のプログラムだし行ってみるか」の人たちが拍手喝采し、カーテンコールは5回くらい行われたと思う。
札幌の地で、誰だかわからない人たちがアート作品をやって拍手喝采されるって、これはすごいことなんじゃないだろうか。
そして、このレベルの作品をやれば、アート作品でもこれだけの人が拍手喝采してくれるという事実は、希望を持てることでもあった。
この体験を思い出して、最近ひそかにある目標を立てた。
「自分たちのことなど誰も知らない地に行って、拍手喝采浴びて帰ってくる。」
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