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連載エッセイ「弱い自分」第15回「犬に嫌われている人間」

自分は犬が苦手な人間である。散歩中、犬を連れて歩く人を見かけるとその人を離れて歩くほどだ。
なんで犬が苦手なのか。それは2つの出来事があったからだ。

1つは小学4年生までお向かいに住んでいた人が飼っていた犬。その犬はなぜか自分だけしか吠えない。自分がその家を横切るとその犬が部屋の中からワンワンとまるで威嚇しているように吠えてきた。

さらにその家に入るとその犬が吠えながら自分の方へ向かってきた。子供の自分はトラウマを植え付けられるほどその犬が怖かった。
引っ越してたまにその人の家に訪れても犬は自分に向かって吠えまくり、襲ってきた。
いまだに何故その犬が自分にだけ吠えるのかは謎。残念ながらその犬は亡くなっているので真相は闇の中だ。

犬が苦手な出来事もう一つは、小学4年生の夏。近所に住んでいた一つ年下の女の子と一緒に下校していた時のこと。
その女の子の知り合いと出会ったのだが、その人と大きな犬を連れており、何故かその犬は自分を吠えまくっていた。
一緒に歩いてもその犬は吠え続けており、
「この犬、もしかして僕を噛みたいのか?」。
そう思った自分は全力ダッシュで家に帰ろうとした。
すると犬は暴走し始め、飼い主が犬のリードを離してしまい、自分を目掛けて走り出した。
当然犬の方が速いので自分の右足をガブリと噛んだ。

大号泣の自分。そして泣きながら自宅へ帰り、母に報告。すると母は大笑い。すぐさま病院へ連行した。この時引越しの準備で忙しかったので車内では「こんな忙しい時になんで増やすの」と母に怒られた。
「いやいやいやいや、こっちは死にそうなのになんで怒られなきゃならないの?」。
当時の自分は泣きながらそう思った。

これが犬が苦手な理由である。ちなみに今住んでいる家のお隣も犬を飼っているがその犬も自分に吠えている。本当に自分って犬に嫌われているんだなぁ。

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