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【熟成肉とお取引】

みなさんこんばんは
レストランEsの新村です。
 
今回の投稿はすべきか否か
かなり悩みましたが
レストランEsの熟成肉
そして弊社の食肉卸部門に
ついて少しでも知って頂き
 
お客様、ひいては同業者様に
僕の考える熟成肉を純粋に
楽しんで頂きたい
そんな思いからこの投稿を
しようと思いました。
 
経験豊富な方には釈迦に説法かも
しれませんがそういう場合は
聞き流していただけると幸いです。
 
さて、2023年に入ってから
ありがたいことに熟成代行や
弊社の熟成肉に興味があるというお問い合わせが
結構来ておりまして
猪から始まり豚、鶏、○○牛(ちゃんとしたブランド牛)
「Esさんで熟成していただけませんか?」
という感じが大半です。
 
ここで僕が言いたいことは
「なぜそれを熟成させる必要があるのですか?」
という問いに対して答えられる方が
一人もいないということなのです。
けしてマウントを取っているわけでも
知識をひけらかしているわけでもなく
 
熟成をさせなくても十分美味しく
熟成をさせると寧ろ素材の良さが
損なわれてしまうと思うので
その説明をしても「そこを何とか!」
というような感じに来る方もおり
 
何件か引き受けてやってみましたが
多分二度目はお引き受け
できないという印象です。
当然のことですが僕ができる最大限の
処理をしましたのでそれらしくは
仕上がりました。
問題はそのあとなんです。
 
熟成肉の扱いはとても
難しいものだと思います。
保管方法、提供前の処理
火入れなど一般的なお肉とは
まるで異なりますから。
お肉の主張がとても強いので
そのどれかを間違えると美味しさが
全然伝わりません
熟成肉に限らずですが
僕はこれを「食材に負ける」と言っており
熟成肉は最たるものです。
 
話は戻りますが
熟成について
そのままでは最善ではなく
適切な処理をしなければいけない
お肉それが「経産牛」だと思うんです。
 
Esでは基本的に経産牛
所謂、お母さん牛を熟成させております。
一般的に経産牛の肉質は
かたい、水分が多い、味がしない
という感じなのですが
 
これをどう美味しく食べて頂くか
というところで「熟成」という
選択になるのです。
その牛の個性を引き出す作業です。
 
一貫した熟成ではなく
その牛に合わせた処理も必要になるので
簡単な作業ではありません
また、飲食店さんに卸す際も
そのお店の保管状態、消費スピード
シェフの火入れなどできる限り
ヒアリングさせていただきまして
 
その店舗様のためのお肉
を作らせていただければと思っております。
また、経産牛は肉用に生産された
牛ではないので二度と同じ
お肉はありません
そういった中でのお取引なので
ある程度商品にもブレがあったりします。
 
ここをどう捉えていただくか
単純なブレととるか
個性ととるか
ここが重要なところになります。
 
僕自身はこういう
お肉との一期一会が楽しくて
今日までお肉と向き合ってきました。
 
そういったこともあり
お肉のお取引に関しては
何度もシェフの方との
すり合わせが必要になってきます。
 
お肉の水分量から
熟成期間まで調整し
そのシェフの好みのお肉を仕上げる
そうすることで不均一な
経産牛もより扱いやすく
美味しくお客様にも食べて頂けると
思うのです。
 
大切な生産者さんから渡された
バトンを最後まで責任をもって
最後の方に渡すために
できることは全力でやりたいと思います。

次回に続きます!

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