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ジェンダーと子育てのいま

またなかなか外に出られなくなるご時世なので、昨晩は少しだけお酒をいただきました。もちろん十分に必要な注意を払って、19時過ぎにはお開きに。

偶然ですが、保育士さんとのお話しで盛り上がりました。私自身、子育てや幼児教育にも興味はありますが、プロの方の現場目線はやはり勉強になりますね。

いくつかのトピックが記憶に残りましたが、やはりジェンダー教育の最前線は紛れもなく幼児教育だということを改めて教えられました。


「今はもう、“男の子だから泣いちゃだめよ”とか、“女の子だからおとなしくして”なんていうことは、絶対に言っちゃいけないんですね」

「だから、男の子がこれでもかというくらい私たちに甘えてくるし、女の子がなりふり構わずにわんぱくに動き回るので、なかなか現場は混乱しています」
「もともと、女の子の方が心も身体も成長が早くておませ、逆に男の子の方が甘えん坊が多いので、今の幼児教育では男女の違いがさらに色濃くなっている気がします」

「男の子って、3歳くらいでいっきに変わるのですね。それまではただ甘えん坊の幼児だったのが、明らかに“男の子”であることを意識していくようになる」
「それが、今はジェンダー教育のあり方として男女を差別できないので、良くも悪くも、いつまでも“男の子”にならないケースが増えている気がします」

「今の子は女の子がカッコいい格好をしたり、男の子のが可愛い服を着たりすることにあまり抵抗感がなくて、むしろ世の中的にそれが受け入れられている傾向にあるので、男女問わず昔よりはるかに自由ですね」
「だから小学校までは、本当に女の子のような男の子、男の子のような女の子が多いのですが、それが中学校に行って制服を着るようになると、男か女かの判断をくっきりと求められることになります」

「そこで着いていけなくなって、ドロップアウトしてしまう子もいます。制服の自由化で女の子でもズボンが選べる学校も出てきていますが、社会通念として男の子がスカートを選ぶのは現実的にはないから、大きな壁にぶつかってしまうのですね」



とても新鮮で気づきの多いお話しに、しばし時間を忘れて耳を傾けてしまいました。

単に男女の服装の問題だけではなくて、幼少期はそもそも男の子の方が甘えん坊だとすると、生まれた性とは異なる要素を持った場合のあり方について、社会的な受け皿がないとメンタル的にも危ない状態になってしまう傾向が強いのかもしれません。

母親は当然女性ですから、ある意味男の子の方が可愛いという話もよく聞きます。だから男の子は女の子以上に甘えるのかもしれません。それが3歳くらいから突き放していくことで、母親(女性)とは異質な“男の子”になっていくのでしょう。

逆に女の子は母親と同性だから安心感と同時に適度な緊張感もあるのかもしれません。だからたっぷり愛情を注いでも、どこかでそれなりの距離感を持っていけることが多い。この点が男の子となると難しいですね。



ジェンダーの幼児教育における「3歳問題」。それこそ“三つ子の魂百まで”だとするならば、自由化とともにジェンダー意識について問う何らかの対応が必要なのかもしれませんね。

人間のジェンダーとしてのデフォルトはあくまで女。それが分化することで男になることを思えば、何かとジェンダーについての再構築が問われるご時世だからこそ、これからの“男の子”たちとどう向き合うのかという社会的な見取り図がとても大切な気がします。

学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。