クリスマスは“ふつうの日”になった?
クリスマスイブですね。寒波到来でホワイトクリスマスになるかと思いましたが、都心ではお天気が回復してちょっと暖かくなりましたね。
今年はコロナ禍が明けてひさびさのイブになりましたが、夜の繁華街などでは人手も増えつつも、クリスマスの光景には変化が訪れているようです。
かつてはクリスマスイブといえば独身のカップルがプロポーズするような一年の中でももっとも特別感のある日で、日本中どこに行っても街中でもそんな光景が半ば当たり前という雰囲気に満ちあふれていました。
でも、今ではクリスマスといえばどちらかといえば友達と賑やかに過ごすのがふつうで、むしろ気ままにひとりのイブを楽しむのが贅沢という時代かもしれません。
ある意味、「クリスマス離れ」ともいえると思いますが、うがった見方をすれば、家族で過ごす特別な祝日という本来のクリスマスの位置づけに戻ってきているともいえるかもしれません。
今は若い世代ほど孤独を楽しむ感性が宿っているケースも多いので、もはや「クリぼっち」なども死語に近づいており、ひとつ間違えたらブラックユーモアにもなりかねない気がします。
ダイバーシティやジェンダーの目線に目を転ずると、かつては“適齢期”になればカップルが街に繰り出して、恋愛や結婚を前提に異性と惹きあっていくという王道モデルでした。
それが、いまでも最終的には従来どおりに王道でありつつも、必ずしもそうしたあり方に縛られずにもっと自分らしく自由に生きていきたいと願う声が確実に広まっているように感じます。
「クリスマス離れ」というよりは、「クリスマスは“ふつうの日”になった」といえるのかもしれません。
かつては聖夜といえばカップルばかりの光景でしたが、今ではそれすらが多様性の波にのまれて、みんなが目指すモデルともいえない時代になりつつある。
今という時代は、かつての目に見えて楽しむカップルありきの姿から、フラットで自分らしさ本位の人間関係に凝縮され変容していくプロセスにあるように思います。
今年はカレンダーがいいので、金曜も、土曜も、日曜(イブ)も、そして月曜(当日)も、と多様なクリスマスを過ごせる年かもしれません。
みなさんは、どんなクリスマスを過ごされるのでしょうか?
学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。