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フランスの代表的な印象派の画家 クロード・モネ

本日は、フランスの代表的な印象派の画家である、クロード・モネ(Claude Monet, 1840年11月14日 - 1926年12月5日)の誕生日です。

モネの代表作である『印象・日の出』(1872年)は、印象派の名前の由来になりました。

下記「目次」の「ギャラリー」の項目以下において、モネのいくつかの作品を鑑賞することができます。

モネ

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1899年、ナダールにより撮影

小学館の日本大百科全書(ニッポニカ)には、モネについて、次のように記載されています。

フランス印象派の代表的な画家。11月14日パリに生まれる。5歳のころ一家はル・アーブルに移住し、彼はこのセーヌ河口の港町で少年時代を過ごす。
初め町の名士たちを描いたカリカチュアで評判を得たが、風景画家ブーダンと出会い、決定的な影響を受ける。モネはブーダンから油絵を学ぶとともに、戸外で風景や海景を描くよう促され、以来、風景画が彼の第一の関心事となる。1859年にパリに出、1862~1864年シャルル・グレールのアトリエに通う。ここでバジール、シスレー、ルノアールといった後の印象派の画家たちと知り合い、4人はときおりフォンテンブローの森で制作をともにした。
また1862年にはル・アーブルの近くでオランダの風景画家ヨンキントと出会い、水や大気や光の描写に関して大いに感化を受けた。1865年のサロンに2点の海景画が入選、翌1866年のサロンでも2点の作品が入選する。彼はまたこの時期、戸外に人物を配した構成にも関心を抱き、大作『庭の女たち』を直接戸外で仕上げようとさえした。この作品は1867年のサロンに落選の憂き目をみる。モネはますます光の効果や水の反映に敏感になり、色調も1860年代末にはいっそう明るさを増した。1870年プロイセン・フランス戦争が勃発(ぼっぱつ)すると難を避けてロンドンに渡り、同じくこの地にきていたドービニーを介して画商デュラン・リュエルを知る。

なお、ドービニーにつきましては、よろしければ次の記事をご参照ください。

1871年末、フランスに戻ったモネは、パリ郊外のセーヌ河畔の行楽地アルジャントゥイユに居を構え、いまだ田舎(いなか)じみた様相をとどめると同時にしだいに近代化・工業化の波に洗われつつあったこの地のさまざまな情景を、自発性に富んだ筆致と光に満ちた色彩で描き、印象派の一つの典型的なありようを示した。
彼は自然を変化する相のもとに記録しようと、あるときはアトリエ仕立ての舟をセーヌに浮かべて描くこともあった。1874年にはピサロらとともにサロンに対抗して独立のグループ展(いわゆる印象派展)を組織し、そこに出品した作品の一つ『印象―日の出』から印象派なる呼称が生まれた。彼は続く4回のグループ展に作品を送るが、残る3回の印象派展には出品を見合わせている。1878年の初頭までアルジャントゥイユにとどまったモネは、同年セーヌを下ってベトゥイユに移り住み(1878~1883)、1883年にはさらに下ってジベルニーに居を構え、ここが彼の終焉(しゅうえん)の地となる。
1880年代、モネはノルマンディーや地中海沿岸、中部フランスやブルターニュのベリール島など各地を盛んに旅行し、劇的な構図を好んで描いた
またこの時期から経済的安定を得、成功への道を歩むようになる。1890年代に入ると頻繁に旅行することはやめ、同一のモチーフを扱いながら時間の推移につれて描き分ける連作に取り組み、「積み藁(わら)」(1890~1891)、「ポプラ」(1891)、「ルーアン大聖堂」(1892~1894)のシリーズが生まれた。また1893年にはジベルニーに睡蓮(すいれん)の池を造成し、1895年ごろから「睡蓮」の連作を開始する。モネはつねに自然を前に、その移ろいゆく瞬間の様相をとらえようとした。しかし、彼の後期の作品では、現場のみならずアトリエでの制作もしだいにその重要度を増してゆく。彼はすばやく容易に達成できるものにもはや満足せず、自らの意図する瞬間の効果を求めて幾度となく絵に立ち戻り、アトリエでその仕上げを行った。また連作では個々の作品の相互の関係がアトリエで調整され、全体が一つの統一あるものに仕立て上げられる。最晩年、友人で政治家のクレマンソーの勧めで睡蓮の大装飾画に着手し、それはやがて国家に寄贈され、パリのオランジュリー美術館に設置された。1926年12月5日没。ジベルニーの家と庭園は1980年からモネ記念館として、春から秋に公開されている。[大森達次]

ギャラリー

戯画、1855 - 56年ごろ。61.2 × 45.2 cm。シカゴ美術館。

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『ルエルの眺め』1858年。油彩、キャンバス。46 × 65 cm。丸沼芸術の森コレクション。

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『オンフルールのセーヌ河口』1865年。油彩、キャンバス、89.5 × 150.5 cm。ノートン・サイモン美術館。同年サロン入選。

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『干潮のエーヴ岬』1865年。油彩、キャンバス、90.2 × 150.5 cm。キンベル美術館(テキサス州フォートワース)。同年サロン入選(W52)。

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『緑衣の女』1866年。油彩、キャンバス、231 × 151 cm。ブレーメン美術館。同年サロン入選(W65)。

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『草上の昼食』1865 - 66年(左側の断片)。油彩、キャンバス、418 × 150 cm。オルセー美術館(W63a)。

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『草上の昼食』1865 - 66年(中央の断片)。油彩、キャンバス、248 × 217 cm。オルセー美術館(W63b)。

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『庭の中の女たち』1866年ごろ。油彩、キャンバス、255 × 205 cm。オルセー美術館。1867年サロン落選(W67)。

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『サン=ジェルマン=ロクセロワ教会』1867年。油彩、キャンバス、79 × 98 cm。旧国立美術館(ベルリン)(W84)。

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『サン=タドレスのテラス』1867年。油彩、キャンバス、98.1 × 129.9 cm。メトロポリタン美術館(W95)。

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『セーヌ河岸、ベンヌクール』1868年。油彩、キャンバス、81.5 × 100.7 cm。シカゴ美術館(W110)。

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『昼食』1868 - 69年。油彩、キャンバス、231.5 × 151 cm。シュテーデル美術館。1870年サロン落選、第1回印象派展出品(W132)。

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『かささぎ』1868 - 69年。油彩、キャンバス、89 × 130 cm。オルセー美術館。1869年サロン落選(W133)。

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『ラ・グルヌイエール』1869年。油彩、キャンバス、74.6 × 99.7 cm。メトロポリタン美術館(W134)。

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『トルヴィルの浜辺』1870年。油彩、キャンバス、38 × 46.5 cm。ナショナル・ギャラリー(ロンドン)(W158)。

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『郊外の列車』1870年ごろ。油彩、キャンバス、50 × 65 cm。オルセー美術館(W153)。

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『国会議事堂下のテムズ川』1871年ごろ。油彩、キャンバス、47 × 73 cm。ナショナル・ギャラリー(ロンドン)(W166)。

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『ザーンダムの風車』1871年。50 × 75 cm。個人コレクション。

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『印象・日の出』1872年。油彩、キャンバス、48 × 63 cm。マルモッタン・モネ美術館。第1回印象派展出品か(W77)。

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音楽を聴きながらじっくりと鑑賞


『アルジャントゥイユのレガッタ』1872年ごろ。油彩、キャンバス、48 × 75 cm。オルセー美術館(W233)。

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『キャピュシーヌ大通り』1873年。油彩、キャンバス、80.3 × 60.3 cm。ネルソン・アトキンス美術館(カンザスシティ)。第1回印象派展出品か(W293)。

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『ひなげし』1873年。油彩、キャンバス、50 × 50 cm。オルセー美術館。第1回印象派展出品(W274)。

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『昼食』1873年。油彩、キャンバス、160 × 201 cm。オルセー美術館。『装飾的パネル』と題されて第2回印象派展出品(W285)。

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『アトリエ舟』1874年。油彩、キャンバス、50 × 64 cm。クレラー・ミュラー美術館(W323)。

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『アルジャントゥイユの橋』1874年。油彩、キャンバス、60 × 79.7 cm。ナショナル・ギャラリー(ワシントンD.C.)(W312)。

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『散歩、日傘をさす女性』1875年。油彩、キャンバス、100 × 81 cm。ナショナル・ギャラリー(ワシントンD.C.)。第2回印象派展出品(W381)。

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音楽を聴きながらじっくりと鑑賞


『ラ・ジャポネーズ』1876年。油彩、キャンバス、231.8 × 142.3 cm。ボストン美術館。第2回印象派展出品(W387)。

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『七面鳥』1877年。油彩、キャンバス、174 × 172.5 cm。オルセー美術館。第3回印象派展出品(W416)。

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『サン=ラザール駅:列車の到着』1877年。油彩、キャンバス、83 × 101.3 cm。フォッグ美術館(米ケンブリッジ)(W439)。

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『サン=ラザール駅』1877年。油彩、キャンバス、75 × 104 cm。オルセー美術館。第3回印象派展出品(W438)。

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『サン=ドニ街、1878年6月30日の祭日』1878年。油彩、キャンバス、76 × 52 cm。ルーアン美術館。第4回印象派展出品(W470)。

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『ヴェトゥイユの雪の効果』1878 - 79年。油彩、キャンバス、52.5 × 71 cm。オルセー美術館(W506)。

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『死の床のカミーユ』1879年。油彩、キャンバス、90 × 68 cm。オルセー美術館(W543)。

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『解氷』1880年。油彩、キャンバス、97 × 148 cm。シェルバーン美術館(米バーモント州)。

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『ラヴァクール』1880年。油彩、キャンバス、100 × 150 cm。ダラス美術館。同年サロン入選。(W578)。

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『ヴェトゥイユの画家の庭』1881年。油彩、キャンバス、151.5 × 121 cm。ナショナル・ギャラリー(ワシントンD.C.)(W685)。

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『プールヴィルの断崖の上の散歩』1882年。油彩、キャンバス、66.5 × 82.3 cm。シカゴ美術館(W758)。

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『エトルタの嵐の海』1883年。油彩、キャンバス、100 × 81 cm。リヨン美術館(W821)。

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『マンヌポルト(エトルタ)』1883年。油彩、キャンバス、65.4 × 81.3 cm。メトロポリタン美術館(W832)。

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『ベレー帽の自画像』1886年(45歳ごろ)

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『ボルディゲーラの別荘群』1884年。油彩、キャンバス、115 × 130 cm。オルセー美術館。

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『サッセンハイムのチューリップ畑』1886年。油彩、キャンバス、59.7 × 73 cm。クラーク美術館。第5回国際絵画彫刻展出品。

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『コトン港のピラミッド岩』1886年。油彩、キャンバス、65 × 81 cm。プーシキン美術館。第6回国際絵画彫刻展出品(W1084)。

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『パラソルを差す女(左向き)』1886年。油彩、キャンバス、131 × 88.7 cm。オルセー美術館(W1077)。

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『舟遊び』1887年。油彩、キャンバス、145.5 × 133.5 cm。国立西洋美術館(東京)(W1152)。

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『アンティーブの朝』1888年。油彩、キャンバス、65.7 × 82.1 cm。フィラデルフィア美術館。

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『クルーズ峡谷(灰色の日)』1889年。油彩、キャンバス、65.5 × 81.2 cm。ボストン美術館。

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『クルーズ峡谷(日没)』1889年。油彩、キャンバス、73 ×70.5 cm。ウンターリンデン美術館。

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『積みわら、夏の終わり』1891年。油彩、キャンバス、60.5 × 100.8 cm。オルセー美術館(W1266)。

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『積みわら、夏の終わり』1890 - 91年。油彩、キャンバス、60 × 100.5 cm。シカゴ美術館(W1269)。

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『積みわら、雪と日光の効果』1891年。油彩、キャンバス、65.4 × 92.1 cm。メトロポリタン美術館(W1279)。

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『積みわら、日没』1891年。油彩、キャンバス、73.3 × 92.7 cm。ボストン美術館(W1289)。

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『積みわら、日没、雪の効果』1890 - 91年。シカゴ美術館(W1278)。

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『エプト河岸のポプラ並木』1891年。油彩、キャンバス、100.3 × 65.2 cm。フィラデルフィア美術館(W1298)。

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『ジヴェルニーのポプラ並木:曇り空』1891年。油彩、キャンバス、92 × 73 cm。MOA美術館(W1291)。

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『陽を浴びるポプラ並木』1891年。油彩、キャンバス、93 × 73.5 cm。国立西洋美術館(東京)(W1305)。

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『ルーアン大聖堂、ファサード(日没)』1892 - 94年。油彩、キャンバス。マルモッタン・モネ美術館(W1327)。

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『ルーアン大聖堂、日没(灰色とピンクのシンフォニー)』1892 - 94年。油彩、キャンバス、100 × 65 cm。カーディフ国立博物館(W1323)。

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『ルーアン大聖堂、西ファサード、陽光』1894年。油彩、キャンバス、ナショナル・ギャラリー(ワシントンD.C.)(W1324)。

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『コルサース山』1895年。油彩、キャンバス、65 × 100 cm。マルモッタン・モネ美術館。

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『ジヴェルニー近郊のセーヌ川支流』1897年。油彩、キャンバス、73.2 × 93 cm。オルセー美術館(W1487)。

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『ジヴェルニーの日本の橋と睡蓮の池』1899年。89.2 × 93.3 cm。フィラデルフィア美術館。

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『睡蓮の池、バラ色の調和』1900年。油彩、キャンバス、90 × 100.5 cm。オルセー美術館。

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『ジヴェルニーのモネの庭』1900年。油彩、キャンバス、81.6 × 92.6 cm。オルセー美術館(W1624)。

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『国会議事堂』1900 - 01年。油彩、キャンバス、81.2 × 92.8 cm。シカゴ美術館(W1600)。

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『ロンドン、国会議事堂:霧に透けて見える太陽』1904年。油彩、キャンバス、81 × 92 cm。オルセー美術館(W1610)。

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『国会議事堂、嵐をはらんだ空』1904年。油彩、キャンバス、81.5 × 92 cm。リール宮殿美術館(リール)(W1605)。

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『ウォータールー橋、霧の効果』1903年。油彩、キャンバス、65.3 × 101 cm。エルミタージュ美術館(W1580)。

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『睡蓮』1905年。油彩、キャンバス、89.5 × 100.3 cm。ボストン美術館(W1671)。

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『睡蓮』1907年。油彩、キャンバス、92 × 73 cm。DIC川村記念美術館(W1706)。

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『睡蓮の池』1907年。油彩、キャンバス、100 × 73 cm。アーティゾン美術館(W1715)。

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『黄昏、ヴェネツィア』1908年ごろ。油彩、キャンバス、アーティゾン美術館(W1769)。

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『睡蓮』1916年。油彩、キャンバス、200.5 × 201 cm。国立西洋美術館。大装飾画のための大型の習作(W1800)。

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モネ『オンフルールのバヴォール街』(1864年ごろ)

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モネ『ボルディゲーラ』(1884年) 

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『日本の橋』1920 - 22年ごろ。

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